2012年8月8日水曜日

動いた地すべり、動かなかった地すべり


先日、大きな移動量を示す地すべりを見ました。
後輩が管理者に応急対策を提言していたものの対応がなく、仕方ないので簡易伸縮計をつけてあげたそうです。
2、3日たって、インバー線が切れたと電話があり現地へ行ったそうですが、なんと1mのストロークを振り切っていたそうです。張った時はそれほど動くとは思えなかったようで、驚いていました。改めて測ってみると、その移動量、時間1cm。通行止めの倍以上の動きです。

私も現場へ行ってみましたが、パッと見、もう、地すべりではなく、崩壊といった形状。滑落崖だけでも5m程(写真で見せてもらった時は1m程度でしたが)。ブロック積みはズタズタ、末端部の押し出しは顕著、土塊に開口亀裂が数多く入っています。でも、人の目では動きが見えません。土塊の上を歩いても心配ないですし、下で畑もされています。でも、簡易伸縮形を見ると、まだ止まらずに動いています。ゆっくり動き続け、いつの間にか大きく変わっています。「アハ」体験のようでした。


一方、動かなかった地すべり?にも出会いました。
トンネル坑口の地すべり対策として垂直縫地を計画している他社さんの報告書を見ました。以前も書きましたが、これ、疑問です。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/06/blog-post_2484.html

安定計算は3次元で珍しいなあと思っていましたが、安全率は「土工指針よりFsp=1.2」。で、垂直縫地の計算は2次元と同じ。しかも、垂直縫地の根入部分をトンネルがばっさり貫いていくという計画。で、施工済み。
本当に地すべりだったのでしょうか?まあ、問題なく施工できたようですので結果オーライなのでしょう。

地すべりも、その対応も、様々です。

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