2012年8月20日月曜日

仙台市宅地保全審議会の安定計算

仙台市宅地保全審議会委員の方の講演を聴く機会がありました。
http://www.city.sendai.jp/fuzoku/1197681_2699.html


色々考えさせられる内容でした。


その中で、技術論として気になったのが再液状化、盛土のすべり面の設定について。
特に後者は市の手引きを作成されるようです。調べてみると、上記リンクにて(案)として公開されています。

特徴としては、S波(厳密にはレイリー波より推定したS波)で設計上のすべり面を決定する点。Vs=180~200m/s で決めるようです。N値にすると10前後でしょうか?S波速度構造を実測N値で補正する場合は、今井の式を初期モデルとして使っていますが、その辺の指摘はないですね。盛土でN=10はやや大きいような気がします。変状メカニズムの資料ではN=0~5が主体のようですから、こちらが本当なのでしょう。まあ、国交省のガイドラインでも200m/sが出ていますので、市で問題にはならないでしょう。ま、個人的に気を付けておきましょう。
「大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドラインの解説 H24.4」p77
http://www.mlit.go.jp/common/000209181.pdf


あと、気になったのはSBLLT で粘着力を求めている点。 応用さんの self-boring LLT でしょう。LLT から強度を求めるのは基準にも載っていますが、公的な資料に示されるのは初めて見ました。LLT は平面ひずみ状態ですので、3軸状態よりやや高い値となります。手引きでは欲しいパラメーターが飽和のCU試験値のようで、不飽和ということで棄却されています。まあ、飽和・不飽和を持ち出すと、、雛段のすべりも不飽和では適用できないというロジックに陥りそうですが。ま、その辺は(レベルの異なる)モデル依存実在論、地すべりの設計パラメーターということでOKなのでしょう。

 
いけませんね。
他に気になった事を中心に考えていきましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿