2012年2月27日月曜日

河川水・地下水の汚染解析業務

河川水・地下水一体の汚染解析業務が国土交通省より公示されています。
http://chotatsu.mlit.go.jp/new_kensaku/KoboPrev.asp?no=11641

膨大な量の解析を8カ月強でこなす、なんともハードな業務です。
内容を見て、ある意味感心しました。露骨ですね。

阿武隈川、汚染というのは、セシウムを対象としているのでしょうね。
こういった解析、先に大気、次に海洋、地下水の順になると思っていました。地震直後、すぐに実施されるべきでしたがデータが公表されず、数ヶ月経って、ようやく地下水が出たという印象です。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/03/8.html

背景は微妙ですが、まあ、公開される結果に期待しましょう。

原著論文に戻る

本を読んでいると、時々誤植に出会います。

私は自分でも情けないほど漢字に弱いので、通常は気付かず読み飛ばしてしまいます。(筆記試験も手書きで準備をしないと、漢字が全く出てきません)。
しかし、数式はどうしても引っかかってしまいます。式が途中で追えなくなりますので。これは誤記といった方が良いのかもしれません。

今日も本を読んでいて、簡単な積分の展開で躓きました。途中の展開が飛んでおり、次の式がどうしても理解できなかったのです。1時間ほど悩んだ後、表示の誤りではないかと思い出典の原著論文を確認したところ、やはり誤植でした。他にもいくつか誤植(H2OがHz0など)がありました。

出典の論文を読むことは、とても重要です。
誤植に限らず、式の適用範囲や仮定、試験法の制限などといった付加情報が飛んでいることが多々ありますので。例えば、道路橋示方書の変形係数の欄にある平板載荷試験は鉛直方向でなく、水平方向での実施結果ですからね。これ、書かれていません(そういえば、新しい示方書、早く入手しないと)。

こういった日々のブログも、手書きにしたら漢字の練習になるでしょうね。
タブレットで手書き認識させると良いのかな。時間かかりそう。

2012年2月26日日曜日

Hfo

汚染水に含まれる物質としてAs, Cd, Pb, B, Zn, F, Fe を適当に組み合わせ、Hfo に吸着させた後、さらに純水と反応させ吸着量の低下傾向を見てみました。

課題抽出レベルの試算ですが、これだけたくさんの元素を1度に扱ったのは初めてです。

PHREEQCの 1次元の Advection で汚染水を300シフト、その後、純水に切り替えて1700シフト流してみました。

結果の解釈は難しいですね。
Asは単独(といってもH+の影響あり)のケース、複数元素を扱ったケース両者とも、約14~20%程度の減。溶出試験なら純水が流出し始めた1シフト目の1%未満の低下量とあっていればよいのでしょう。

・・・と思いきや、全く離脱しないケースもありました。元素組み合わせ以外に、strong / weak の両方を熱力学データベースが考慮しているかどうかも、結果に影響しているかもしれません。こういった多くの元素・ species を1度に扱いたい場合には、水質分析結果をみて組み合わせを考えるだけでなく、自分でデータベースを編集しておく必要がありそうです。

まあ、どの species が吸着しやすい、離脱しやすいなど、ある程度の傾向が可視化できましたので、引き続き計算していきましょう。

2012年2月23日木曜日

破砕岩

地すべりと断層の破砕岩の比較が今月号の応用地質に載っています。

土研の脇坂氏が数年前より口頭発表されている内容です。

昔、三波川の地すべりばかり扱っていた時期があります。236ページの写真3(1)、4(1)は似ているコアをよく見ました。こういった不自然で、パンと割れたようなイヤな亀裂は印象に残ります。地すべりに限った亀裂だとは考えていませんでしたが。

237ページの写真は、昔、断層か、熱水破砕かを議論した結晶質岩の破砕部を思い出しました。破砕しているが変位の証拠がない(中も周辺も)ため、断層と断言できない = 熱水破砕?と言いながら、大背の前で数人の地質屋と観察しました。明瞭なせん断構造・形態を有するものも多いけれど、このような粘土の中の粒が割れただけのような破砕部も多く見てきました。
熱水破砕部がすべりを起こすとどう変化するのか見てみたいですね。


しかし、こういった現象は試験室で再現できないのでしょうか?高圧の場合、低圧の場合、引っ張りの場合、圧縮の場合等々。それぞれの亀裂の発生形態で、「やはり地すべり特有なんだ」ということになれば、説明しやすいのですが。


基本的には、地すべりは「地質+荷重のバランス」だと思いますので、その一方だけ追い求めて解けるものとは思いません。しかし、現状は後者優勢ですので、このような研究が進めば地すべりの「解法」が進展するように思います。
今後の検証が楽しみです。

Surface Complexation Modeling

PHREEQCで吸着を扱おうとすると、自然と ferrihydrite の surface complexation modeling もコンセプトの1つに入ってきます。

この鉱物の logK がデータベースに入っていますので、簡単に扱えます(というか、このデータしか私は扱えません)。
sourceはコチラ↓。

David A. Dzombak; Franois M. M. Morel, 1990
Surface Complexation Modeling: Hydrous Ferric Oxide

有名な本(というか、データベース)なのですが、私は持っていません。この話を扱い出すと欲しくなるのですが、高くて買えません。他の教科書に解説はありますし、データ自体は手元にあるので、毎回「ま、いいか、」となります。

で、最近またこの Hfo を扱い出したのですが、入力パラメーターの意味するところを完全に忘れていました。教科書を見直してようやく思い出す始末(Ex7.9に詳しく載っています)。もっと頻繁に手を動かさないとダメですね。理論も復習しないといけません。


現状、このような surface complexation modeling はもちろん、geochemical modeling 自体、流行っていません。Hfoと species の中の1つだけ扱うなら、手計算でもある程度は可能でしょう。しかし、そこに他の元素が入ってきただけで、一気に困難になります。さらに、それらの物理的移動(地下水流動など)があれば、もう計算機に頼るしかないでしょう。
自然由来重金属のマニュアルでは移動の計算も視野に入っていますが、残念ながら移流分散のみで水質を予測する現状には限界があるということです(もちろん、反応を連成させても限界はあります)。

今後は反応計算だけでなく、分子シミュも発展してくるでしょう。
まだまだ頭に入れることは山のようにあるということです。

2012年2月20日月曜日

stylolite

本を読んでいて分からない岩石名?鉱物名?が出てきました。

stylolite

聞いたことがありません。
ネットで調べても日本語のページはほとんどないので、日本で調べている研究者はいないのでしょう。

圧力融解でできる構造 (surfaces) のようですね。
Qz やcalcite が clay-rich or micaceous laminae に接し融けて、縫合線や歯ような噛み合わせの面を作るようです。融けた元素が拡散し周囲の空隙沈殿するため、mmオーダーで見ると透水性にも影響しているようです。
次から石灰岩をみるときには気をつけて見てみましょう。

2012年2月18日土曜日

Unreasonable Model

例の Geochemical Modeling の本の内容です。

どのようにすれば空間的、時間的に限られた実測値を用いて答えを出すことができるか?を期待して読んでいた箇所ですが、ようやく読み終わりました。50ページを、読む日があったり、なかったりして、1か月強。
しかし、内容は期待とは少し異なっていました。

複雑な現象をモデルに取り入れようとすると、必要なデータの種類が多くなります。しかし、実際は限られたデータしか得られないことが多い(金銭的にも時間的にも)。では本当の答えが出ないのであきらめるのか?無理に答えを出すのか?というとそうではありません。
その限られたデータと解釈の中で、可能性のあるプロセス組み合わせを全てモデル化してみる(本ではその数が160にもなっていました)。計算機はモデラーの意図したプロセスを空間的、時間的に補完し、結果を返してくれる。モデラーはそれを reasonable、unreasonable なモデルに区分できる。つまり、可能性を潰しながら真実に近いモデルに迫ることが可能というわけです。正解だけでなく、Unreasonable Model を探すというのも計算の重要な役割でしょう。
今まで、正解ばかり性急に求めすぎていました。そういう着地点も誠意があって良いのかもしれません。

また、以下の言葉も印象に残りました。
No Model is ever final.
 Any models are never とはニュアンスが違うのでしょうね。だから、現地、室内試験、モデルの解釈などを頻繁に行き来する必要があるとのこと。その通りだと思います。
私の場合、思考過程が進むたびに、新たな見落としが顕在化し、現場に戻ることが多々あります。現場に答えはあるのだけど、なかなか1度では見抜けません。時間がかかります。先日も、モデル計算の結果、矛盾が生じ再度現場に行くことがありました。
http://phreeqc.blogspot.com/2012/02/jarosite-2.html


いずれも、私にとっては有益な情報でした。
では、次の事例に進みましょう。

Civil3D 初期設定

個人的な初期設定です。
稀に設定が飛んでしまうことがあるのでメモしておきます。
(既に書いていたと思ったのですが、ありませんでした。)

ハードウェアアクセラレーションの有効 3DCONFIG
リボンの表示 RIBBON
ツールスペース表示 (リボンより)
タスクペイン表示 MAPOPTIONS 「起動時にタスクペイン表示」にチェック
ダイアログ表示 FILEDIA
レイアウト・モデルタブ表示 (オプションを表示してチェック) OPTIONS
(タブ表示はCivil3D 2012 の方法です。以前は右クリックで直接選べたのですが。見つけていないだけ?)

初期設定ではありませんが、忘れそうなので。
Raax StereoWin V1.3 で見かけ傾斜を DXF に吐き出すとグループ化されてしまう。
グループ化解除 UNGROUP

2012年2月15日水曜日

地下水は2次元か? 3次元か?

浸透流解析で2次元の仕様です。

「集水暗渠があるので、2次元では無理!」と言っていたのですが、よく考えると断面とは書いていません。あ、そうか、2次元平面だ!

しかし、2次元平面で集水暗渠を表現できるのでしょうか?
水位と揚水量を合わす必要があるのですが、誰に聞いても「できるのかな?」「できるような気がする」程度の回答。立体構造は3次元なら簡単に表現できますので、あえて2次元で工夫して計算した人がいないのです。

ならば、やってみよう!ということで、EXCELで試算してみました。差分法の考え方で、帯水層は均質1層、⊿x=⊿yでモデル化。簡単です。平面のスキャンから、結果を出して皆に報告するまで2時間弱でした。

結果は一目瞭然。ダメです。
集水暗渠ではなく、集水「壁」のようなモデルになるのでしょう。下からのまわりこみが反映できず、下流側の水位の低下が大きすぎます。不透水境界が近いことも、より拍車をかけています。
そりゃそうでしょう。やる前に気づけ!ってことですよね。まあ、バカは手を動かさないと分からないので、やっただけ良しとしましょう。
とはいっても、集水暗渠のみを対象とするなら、透水係数をフィッティングパラメーターと割りきって、答えは出せそうです。まあ、周りが合っていないので、説明はつらいでしょうけど。

3次元のものは、素直に3次元で考えた方が楽ですね。特に地下水は。

2012年2月14日火曜日

PCの電源

計算用PCの電源が入ったり、入らなかったり。

ボタンを押しても、一瞬つくのですが、すぐに消えます。2回ついたり消えたりも。不安定です。数ヶ月前から頻繁に起こるようになり気になっていたのですが、いよいよ今日、本格的に調べました。

最初はボタンの接触を疑いました。マザーと繋がるコネクターを抜いたり刺したり、ボタン裏をさわったりしましたが、改善せず。ケースとの接触に問題があるのかと、ネットで同様の事例を探しましたが見当たらず(Cooler Master CM690)。一方、マザーのオンボード電源ボタンなら、普通に起動します。

原因がわからないなあと思いながら、ふとUPSをみると、充電がほとんどされていません。このUPS、計算が2週間かかることもあったので、少しの停電なら続けて計算できるようにと思い、壊れたファイルサーバーから奪ってきていました。なぜ?と思いつつ、コンセントをUPSから外部電源に付け替えると、正常に起動しました。マザーの電源ボタンから起動したのは偶然でしょうか?瞬間的な消費電力に差があるのでしょうか?
UPSのバッテリーテストでまだ使えることを確認。4時間ほど充電し、もう一度UPSに接続して起動すると、ブチっと切れました。一瞬で放電。

これがオーバーロードでしょうね。
見れば、UPSの出力が500W。一方、PCにはSuper Flower 850W(SF-850P14XE)を載せています。
よく数か月持ちこたえてくれました。まず確認!でしたね。反省です。

そういえば、O.C.時に落ちるのは、これのせいなんでしょうか?
早速試してみましょう。

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2/17追記
O.C.は違いますね。
ブルースクリーンはメモリ関連のエラーを吐いています。

2012年2月13日月曜日

土層強度検査棒と三軸圧縮試験

3軸CD4試料、土検棒2か所の比較結果を後輩から聞きました。

土検棒でc・φがわかるかも?と期待して遠い現場に行ってきたようです。
が、結果は全く駄目。興味を無くしたのか、整理も途中で投げていたようです。
結果の続きを整理してみると、当然ですが試験値とは全く異なっています。経験式法と(CUの)相関式法ですら大きなずれが生じていました(三軸試験結果もイマイチでしたが)。

興味をひかれる点もありました。
プロットすると、比較的綺麗な線形になります。いろいろな問題(乱れは?挿入時に押し固めていないか?飽和度は?など)をブラックボックスにしつつも、その状態での綺麗な線形データを返してくれるのは、ツールとして優れている点でしょう。

ただし、それとc・φを求めるのは全く別の話。前にも書きましたが、現段階では土検棒を用いて飽和時のc・φを推定するには、力学試験が必要です。矛盾しているようですが、相関をとれる程度の数の力学試験が必要なのです。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/07/blog-post.html
マニュアルでは、以下の注意書きが書かれています。

・・・ただし、この経験式は今後数を増やして正確な数値にしていく必要がある。
・・・この式はあくまでもこのテストフィールドでの参考式であることに注意する必要がある。・・・したがって、基本的には現場毎にこのような相関式を作成して活用することが望ましい。

個人的には、土研さんが土質に応じて数多くの結果を吟味してからマニュを作れば問題なかったように思います。が、現状を考慮すると仕方ないでしょう。

まあ、まだ2箇所の比較ですし、データを集めないことにはその先の話ができません。その内、整理されたものも出てくるでしょう。それまでこちらもデータを集めておきましょう。

2012年2月12日日曜日

分散とガウス分布

1次元移流分散解析事例におけるの縦分散(α)の影響について読んでいて、分からなくなりました。

井戸間の距離 x が5600m、縦分散を560m とすると、σx=√(2αvt)=√(2αx)=2504m 。
上流側で連続注入しc/c0=1、下流側の井戸でc/c0=0.5のとき、
・・・ the 0.16 relative concentration level has already moved ahead by 2504 m. In contrast, the 0.84 relative concentration level would be 2504 m upgradient from well 503.
ahead は文脈から井戸503より下流側という意味でしょうね。しかし、0.16、0.84 って、いきなり何だ?
しばし前後を読むが出てきません。でも、なんだか覚えのある数字です。少し考えて、ピンときました。

「あ、ガウス分布だ。」

好きになれない統計の話です。すぐに忘れます(というか、覚えようとしないんです。頭が)。σxについても標準偏差ではなく、「特定の値」としか書かれていなかったので、気づくのが遅れました(式の出典が私の大好きな教科書でした・・・読んでいたはずなのに)。

つまり、以下の図ようなことですね。



EXCEL でガウス分布の確率密度関数と累積分布関数を表示しただけですが、図にすると頭に残りやすいですね。確率密度関数の部分的な塗りつぶしは手間なのでやめましたが、次はこの図を見れば、どこが0.16のエリアか思い出すでしょう。ちなみにEXCELの関数は=NORMDIST(x,平均,標準偏差,FALSE)が確率密度関数、TRUEが累積分布関数なんですね。便利。

しかし、この本は分かって当たり前、といった感じで説明が省略されている箇所が多いようです。読む人のレベルを要求しているのかどうかわかりませんが、今のところなんとか理解していますので、最後までゆっくり行きましょう。

2012年2月11日土曜日

LPデータによる地表面変位表示

Optical Flow による地表面変位のベクトル表示ですが、LPデータを先輩からお借りし、試してみました。

いえ、正確には試そうとしましたが、無理でした。
移動前が10mメッシュ、移動後が1mのグリッドデータですと、見た目が全く異なります。そうなると、Optical Flow では対応できません。10mの解像度に合わせても無意味です(移動量にもよりますが)。

手を動かしてようやく気付いたのですが(遅い!)、この手法は実務での適用性が狭そうです。地すべりに対し2回LPを撮るような現場は少ないでしょうし、崩壊には適用できません。

ただ、画像として表現できれば、写真であれ数値であれ、材料を選ばず比較できます。当然、動画も問題ありません。泥流の流速を自動取得したいとか、動画に映っている落石の個数を取得するとかといった利用の方が向いているかもしれません。
技術的にはレベルが低いですから、何ができるかはアイデア次第ですね。

2012年2月9日木曜日

亀裂面の反応特性を測りたい

難しいですね。

岩盤からの湧水は、通常、亀裂面を通過して出てきます。そのため、水質は母岩の鉱物量比ではなく、亀裂面のそれに規制されます(dual porosity で表すべきものは除く)。

亀裂面の鉱物比のみを定量化するのは、力技でできるでしょうが、反応特性は難しい。鉱物脈のみ取り出したり、粉砕したりすると比表面積が変わりますし、脈の形成順序(時間的な水質変化)も反映できなくなります。鉱物比を定量化するために片側のコアをつぶしてしまうと、通水もできなくなります。

コアに縦方向の亀裂があれば、通常の3軸圧縮試験機で透水係数とともに反応特性を求めることは容易でしょう(厳密には拡散特性を考慮する工夫をしないといけませんが)。
しかし、横方向や斜めの亀裂となると困難ですね。そのような亀裂面のみ通水できる装置は見たことがありません。縦亀裂になるように、コアからの再コアリングもできなくはないですが、通常、開口亀裂では崩れてしまいます。

何か良い装置は無いでしょうか?しかも水質にまったく影響しない素材で何とかしたい。
うーん。難しい。

2012年2月7日火曜日

海底トンネル事故

このニュースを聞いた時、貯槽関連か?と緊張が走りました。が、違いました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120207/t10015852681000.html

原因は何だろう?海底下も風化帯が厚い場所なのに、浅い箇所を掘る設計だったのだろうか?などと想像しながら帰宅。ニュースを見ると、鹿島さん。すぐ近くを何年も掘っていたでしょうに、と思いながら続きを見ると、海底トンネルといってもNATMではなく、シールドでした。地表(埋め立て)から深度30mの竪坑より発進している絵が紹介されていましたが、海底からは何mだったのでしょう?詳細はいずれ明らかになるでしょう。

私も海底下で数年間働いていましたので、人ごととは思えません。あのような状況で海水が入ってきたらと思うと・・・とにかく、早く見つけてあげて下さい!

2012年2月6日月曜日

Kinect Hack

キネクトハックがブームのようです。

Kinect は MS 社のゲーム機 Xbox の周辺機器です。私も持っていますが、この性能が凄い。初めて触れた時は驚きました。

これ、PC に接続できます。SDK は Win7 専用のようですが、以前よりハックされ、XP などでも動作可能になっています。また、今月に入って、「Kinect for Windows」も発売されました(なぜかゲームよりかなり高い)。

PC につなぐことで、以下のようなアプリの開発が可能となります。

光学迷彩


本来の使い方?

3Dスキャナー (ic2020)


熱狂するはずです。
ic2020、現在ソースは公開されていませんが、似たようなアプリは次々出てくるでしょう。3D スキャナーとしての利用は随所にUPされていますし、アプリを公開されている方もいらっしゃいます。洞窟や管内、人の立入れない現場のスキャンに使えそうですね。当然、3Dですからシミュの土台にも利用できるでしょう。
本来の使い方であるモーションキャプチャーも使い方によっては面白いですね。静的なスキャンはもちろん、動的3Dスキャンも可能なところがポイント高いです。

仕様上、現段階では明るい屋外利用は難しいと思います。遠方のスキャンもダメ。また、kinectの電源処理も工夫が必要でしょう。。
しかし、家庭用ゲーム機の周辺機器でこんなことができる時代になっていたのです。発想とプログラミングのスキルで、いろんな可能性が生まれるでしょう。

2012年2月5日日曜日

Optical Flow (Block Matching)

OpenCVのサイトにあったVer.1, 1.1用ブロックマッチングのサンプルコードを試してみました。
http://opencv.jp/sample/optical_flow.html#optflowBM
先日入れたVer.2.2、2.3.1に追加で古い1.1を入れてから試してみました。

が、動きません。以下のエラーが出ます。
OpenCV Error: Sizes of input arguments do not match () in unknown function,file ..\ocv\opencv\modules\video\src\optflowbm.cpp, line88
このファイルはタイムスタンプよりVer.1.1ではないようです。中身をみると、どうも以下の個所で引っかかったようです。
    CvSize velSize =
    {
        (srcA->width - blockSize.width)/shiftSize.width,
        (srcA->height - blockSize.height)/shiftSize.height
    };
    if( !CV_ARE_SIZES_EQ( srcA, srcB ) ||
        !CV_ARE_SIZES_EQ( velx, vely ) ||
        velx->width != velSize.width ||
        vely->height != velSize.height )
        CV_Error( CV_StsUnmatchedSizes, "" );
サンプルコードでは以下のように設定されており、このサイズ違いがエラーの原因になったのでしょう。
rows = int (ceil (double (src_img1->height) / block_size));
  cols = int (ceil (double (src_img1->width) / block_size));
  velx = cvCreateMat (rows, cols, CV_32FC1);
  vely = cvCreateMat (rows, cols, CV_32FC1);
ちなみに、velxのサイズの計算式がVer.1.1と2.1の説明で異なっています。
http://opencv.jp/opencv-2.1/c/motion_analysis_and_object_tracking.html
仕様変更でしょうか?Ver.1のサンプルを動かす時は、当たり前ですがVer.1のみの環境にしておいたほうがよいのでしょう。今回は上位Ver.でファイルを上書きしてしまったのかもしれません。

とまあ、アタリはついたので、サンプルコードの rows、cols の計算式を2.1と合うように変更してやりました。結果、問題なく動きました。

実際に画像処理を行うときは、block_size や shift_size を画像の特徴や欲しい解像度に合わせて調整する必要があるようです。コンパイラー上で動かした方が良さそうですね。
これで、実装されているアルゴリズムのうち、LK, HS, BM の3種は用意できました。

2012年2月3日金曜日

密度流

解析PCが遊んでいたので、頓挫していた密度流の計算をかけてみました。

22万節点の3次元密度流計算です。
以前はオリジナルに近い Dtransu で、シミュ上の1日の予測計算に、丸1日(実時間)かかっていました。これ、予測になっていません。
今回は並列化済みのDtransuです。早速計算をかけてみました。

が、1.7日/1日のペース。劇的な速度向上は見えません。まあ、汚染を投入した初期の計算なので時間はかかるのでしょう。Δtの刻みが大きなままで、チューニングしていないのも原因の一つでしょうね。

もう少し、様子を見ましょう。

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2月12日追記

速度の向上が見られなかったため中止しました。1日の計算が丸1日かかるなんて。モデルを作る段階から考えないといけませんね。当たり前ですけど。

2012年2月1日水曜日

Jarosite の生成 その2

Jarositeに不飽和な問題の続きです。
http://phreeqc.blogspot.com/2012/01/jarosite.html

前回のモデルでは、K-Jaに不飽和でした(SI=-7.6)。
しかし、Alunite のSIが16。研究職に指摘され、現場で再度サンプリング。赤黒い析出物をXRDでチェックしてもらうとAluniteでした。汚れか、Fe の酸化物or水酸化物かと思いこんでおり、ノーチェックでした。

そこで、PHREEQC 上で Alu を析出させてみました。結果、析出でKを消費したので、K-Ja の SI がより低くなってしまいました(SI = -30)。

その後、いくつか現実味のある鉱物組み合わせでチェックしていくと、以下の条件が必須となることが分かりました。
  1. Alu の析出が必須
  2. K のソースを加えることで K-Ja が過飽和になる
XRD などのチェックで把握しきれていないKのソース(例えば K-fsp など)があるはずです。しかも、K/Al が高くないといけません。

実際は local equilibrium に達していないでしょうから、これらの計算通りの答えにハマることはないでしょう。しかし、定性的には十分な Alu, K-Ja の析出モデルができました。

地道な努力

先月購入した教科書、読み始めて3週間が経過しようとしています。

が、進みません。まだ30ページ。書き下しているからということもありますが。このペースだと、全部読んだら7カ月、読みたい箇所だけでも2.5カ月かかります。は~。

今読んでいるのは reactive transport model に関する検討事例なのですが、この方、すごいです。試験をして調べていく過程と、分からないこと(メインは鉱物相)を仮定し、シミュして判断すると言った過程の両方を用いて検討されています。しかも、後者を160ケース実施されています。すばらしい!というか、知識のある方がこのような地道な努力をされるとお手上げです。私は努力しないとプロと話ができないレベルだと自覚していますので、通常のシミュでも100ケースくらい検討します。しかし、この方160。しかも、あたりをつけて絞り込んで160です。1次元の水-反応連成計算とはいえ、160はすごい数です。深い知識がないと、これだけのリアリティーある鉱物組み合わせを、思い浮かべることすらできないでしょう。

色んな面で刺激を受けますね。
ゆっくり読んでいきましょう。