地すべりと断層の破砕岩の比較が今月号の応用地質に載っています。
土研の脇坂氏が数年前より口頭発表されている内容です。
昔、三波川の地すべりばかり扱っていた時期があります。236ページの写真3(1)、4(1)は似ているコアをよく見ました。こういった不自然で、パンと割れたようなイヤな亀裂は印象に残ります。地すべりに限った亀裂だとは考えていませんでしたが。
237ページの写真は、昔、断層か、熱水破砕かを議論した結晶質岩の破砕部を思い出しました。破砕しているが変位の証拠がない(中も周辺も)ため、断層と断言できない = 熱水破砕?と言いながら、大背の前で数人の地質屋と観察しました。明瞭なせん断構造・形態を有するものも多いけれど、このような粘土の中の粒が割れただけのような破砕部も多く見てきました。
熱水破砕部がすべりを起こすとどう変化するのか見てみたいですね。
しかし、こういった現象は試験室で再現できないのでしょうか?高圧の場合、低圧の場合、引っ張りの場合、圧縮の場合等々。それぞれの亀裂の発生形態で、「やはり地すべり特有なんだ」ということになれば、説明しやすいのですが。
基本的には、地すべりは「地質+荷重のバランス」だと思いますので、その一方だけ追い求めて解けるものとは思いません。しかし、現状は後者優勢ですので、このような研究が進めば地すべりの「解法」が進展するように思います。
今後の検証が楽しみです。
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