先週末、岩盤のコア鑑定をしていました。
新鮮硬質なのですが、弱い変質を受けたのか、緑色を帯びたコアでした。最初は緑レン石化かと思いましたが、顕微鏡で見ると殆どが石英に見えました。
また、有色鉱物に見えた黒い粒は、殆どが pyrite でした。pyrite は粒界や細脈にも見えます。
研究職に XRD + RockJock をかけてもらうと、Qz 65%、sericite 35%とのこと。細脈の有色鉱物は緑泥石でした。風化部はQz,、Se、K-Jarosite のみだそうです。Jarosite は黄色の粉状ですので、風化生成物ですね。pyrite が溶解し Fe と S、sericite から K が来たのでしょう。
K-fsp が sericitization したとすると、原岩は Qz と K-fsp がメインでしょうから、(凝灰質)砂岩でしょうか?スレートなどを挟む流紋岩質凝灰岩分布域ですので、可能性はあります。が、砂岩であれば Ab も含まれていたと考えるのが自然です。現在 Na 、Caを含む鉱物の見られない点が引っかかります。
原岩が流紋岩質凝灰岩だとすると、Na、Ca に加え、有色鉱物はどうなったのでしょうか?Na や Mg などは熱水と共に流れ去ったと考えるのは、都合が良すぎるでしょう。
XRDだけでは源岩が分からなかったので、薄片鑑定を研究職に依頼しました。
この現場のお客様が地質に興味があるようで、いろいろ質問を受けます。
コアについても成因やその特徴、崩壊箇所との違い、地形への表れ方などを整理しておく必要があります。
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