まず、マレーシア。
Slope Engineering Branch, Jabatan Kerja Raya MALAYSIA. 「GUIDELINES FOR SLOPE DESIGN」2010
All untreated slopes shall be designed with minimum of 2m berm width and
maximum 6m berm height with a Factor of Safety greater than 1.3. Stabilisation
measures can be considered when the design is inadequate. Stabilisation
measures may include the following:-
• soil nailing with slope surface protection
• permanent ground anchors
• retaining walls, etc.
The minimum global Factor of Safety for treated slopes shall be 1.5.
切土の場合です。盛土も似たようなもんです。なぜこのように決めたのか、背景が知りたいですね。非常に興味があります。
計算式については、指定がありません。
次はUK
Transport Research Laboratory 「OVERSEAS ROAD NOTE 14 HYDROLOGICAL DESIGN MANUAL FOR SLOPE STABILITY IN THE TROPICS」
これはどこまで効力があるのか分かりませんが、安全率よりも検討析手法の紹介になっています。浸透流と安定計算(Bishop)の組み合わせで多くのケースを検討しています。最終的には透水係数、降雨強度、勾配などから、チャートを使って簡単に安全率が出せるようになっています。このマニュに沿ったソフトも出ているようです。http://www.chasm.info/
目標安全率の記載はほとんどありませんが、ある表には推奨値として香港の1.2~1.4が掲載されています。
で、香港。
上述した1.2~1.4の出典です。
GEOTECHNICAL ENGINEERING OFFICE, Civil Engineering and Development Department, The Government of the Hong Kong 「GEOTECHNICAL MANUAL FOR SLOPES」
Risk to Life と Economic Risk のマトリックスで目標安全率を決めています。リスクに応じて1.0以上、1.2、1.4の3段階になっています。良いですね。リスクブームの日本でも、将来的にはこのような整理がされるのでしょう。
計算式も多く紹介されていますが、Janbu, Bishop あたりなのでしょうね。
日本では当たり前のように使われている簡便法は、どの国にも出てきませんでした。安全率が日本より高めなのは、それも一因なのかもしれません。背景はよくわかりませんが。
最近では上記の資料を始め、他国のガイドライン等もネットで容易に手に入ります。井の中の蛙であることに気付きやすくなっています。
技術者としてはありがたいことです。
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