国土交通省多治見砂防国道事務所より酸性水中和バリアの実験データが公開されています。こちらの第10, 11回の資料です。http://www.cbr.mlit.go.jp/tajimi/suishitsu/index.html
簡易なPRBです。水質データもそろって公開されている貴重なものです。貝殻で良い効果が得られている点も面白いですね。
実験は目詰まりによる機能低下により中止され、洗浄後の機能回復も芳しくないことから、中和プラントでの対策へ移行されたようです。おしいですね。Fe や Al 、その他の金属は確実に除去できていたと思います。また、 PRB の設計では洗浄孔を設けるようになっているようですが、その重要性が証明されています。素人目ですが Limestone ベースの PRB の前に ZVI などの PRB をかませておけば、金属類の除去と目詰まり対策(longevityの拡大)につながったのでしょう。参考書にも載っていますので、そこまでは実験してほしかったですね。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/01/handbook-of-groundwater-remediation.html
計算せずに放置しておくのももったいないので、この実験を HP1 (HYDRUS 1D + PHREEQC) で再現することにしました。
流路長は1.6mの水平1次元とし、流入量、流出量は単位面積の通貨量に補正。境界条件は浸透に対し両境界とも Flux 固定、濃度に対し上流側 Flux 固定、下流側勾配0としました。
計算を安定して回すために SOLUTION_SPECIES で以下の項目を加えています。これはメジャーなテクニックですね。
H2O + 0.01e- = H2O-0.01; log_k -9.0
さて、計算には時間がかかりましたね。かなり収束しにくいようです。1発目の計算でモデルを詰めてないこともあるでしょう。公表されている16日の非定常計算で3時間20分かかりました。何かミスをしているんでしょうね。
とりあえず回ることは確認できましたが結果はダメ。O2やCO2の溶存を考慮していないのでpHの挙動は想定通りですが、それ以外にも12日の体積含水率がおかしい。この辺の詰めは明日以降ですね。今日は反応のコンセプトモデルだけ実際に近づけて終わりにしましょう。上記の溶存とFe、Al系鉱物の沈殿を取り入れてるだけですが。
あ、それと PHREEQC は現行で Ver2.17 ですが、HYDRUS 1D Ver.4.14 のHP1 では 2.14 を使用しているようです。EQUILIBRIUM_PHASES のprecipitate_only はVer.2.17からのコマンドなので、現行の HP1 では使用できません。気をつけましょう。
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