2011年5月8日日曜日

不飽和斜面の安定性

不飽和斜面の変形に関する研究に携わる予定でしたが、諸々の理由で中止となりました。

ただ、今ない分野を開拓し、実用化を検討することは必要なことです。仲間と話をしていて、体積含水比によりc、φを変化させるプログラムがあれば、間隙空気圧を考慮するよりは実用的だよね、ということになりました。このGWの間、(間隙空気圧の考慮も含め)不飽和斜面の安定性を検討可能なソフトを探していたのですが、なかなか見つかりませんでした。
ところが、地盤工学会「不飽和地盤の挙動と評価」を読んでいると、上記の考え方の例が掲載されていました。1990年代の例です。10~20年前です。知りませんでした。

実務で広がっていないのは、不飽和のせん断、保水性試験等に時間、コストがかかるからでしょうか?「安定勾配」といった基準があれば、盛土の設計には必要ないからでしょうか?繰り返し円弧と経験的な目標安全率が掲載された基準を持ち出せば、自然斜面でも必要なかったからでしょうか?やはり重要物件でないとコストをかけて実施する「流れ」ができなかったものと思われます。

解き方は浸透と変形の連成・非連成の2種あるようですが、後者のほうが簡単です。これなら、浸透流をかけた後、サクションの等高線にそってレイヤー分けを行い、それぞれに該当するc、φを当てはめ、SSR法ですべり面を探査すればOKです。今ある技術でも力技で解くことができますね。

厳密にはレイヤー分けの個所をθ-c、φ関数で表現し、非定常の(リアルタイム?)安定解析に取り入れていると思われますが、テキストには詳細が書かれていません。文献を当たる必要がありますので、早速注文しましょう。

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