2011年4月27日水曜日

間隙空気圧

不飽和斜面の変形・破壊に間隙空気圧はどの程度効いてくるのでしょうか?
今日はテンシオメーターとTDRの設置・交換を見ながら、多くの技術者と議論しました。

私は計算して検証してみたいと考えています。花崗岩の斜面のトレンチを見ていると、DH級上に堆積している約1mの流れマサが破壊するには、全層浸透によるサクション解放は無理だろう、そうすると、上方だけ浸潤・飽和し、中間層の空気が逃げられない状態になり、圧力による崩壊が発生するかもしれないといった想像ができます。それで壊れるかどうかは見たことがないので、検証してみる価値があると思います。

しかし、多くの方が懐疑的でした。どちらかというと、破壊後には必ずと言っていいほど穴(水みち)があるので、それが悪さをしているのだという方が多くいらっしゃいました。崩壊跡をみると、確かに壁面(しかも上のほう)にいくつかの穴があることが多いと思います。あれが水みちだとすると、崩壊後に削られててできた穴なのか、崩壊前からあの大きさなのかはわかりません。しかし、そこに水圧がかかって崩壊しはじめたとするならば、今の飽和-不飽和浸透流の計算では再現できません。水みち密度マップの作成を念頭に置いた調査も必要になってくるでしょう。
古くからある意見ですし、私も見て感じてきたことですから検証できるならしてみたいです。土石流のきっかけが、谷頭表層30cmの崩壊というのも、あり得ると思います。しかし実務的には無理な調査・解析ではないでしょうか?

間隙空気が悪さをしているにしても、今の浸透流では無理。多相の解析を実施しないといけません。でも、こちらの方が実務に取り込める可能性があります。

今年度の課題に加えましょう。

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