地山強度比の考え方
等方地圧における素掘り円形トンネル周辺では、地山が弾性体の場合、壁面で半径方向応力σr=0、円周方向応力σθ=2Pとなる(Pは初期応力)。つまり、トンネル壁面では圧縮応力2Pの一軸圧縮応力状態となっている。そのため地山の一軸圧縮強度quが作用荷重2Pよりも大きい場合(qu>2P)、安定となる。これが地山強度比qu/Pv>2の考え方(Pv=γH:土被り圧)。
大成建設土木本部土木設計部「トンネルの設計 (考え方と設計がよくわかる実務シリーズ) 」山海堂 p48,49
鹿島建設土木設計本部「トンネル (新・土木設計の要点)」鹿島出版会、2003.7 p10,28
これに側圧係数λを導入すると、λ=1~0のとき、側壁部の応力は2~3Pvとなる。
(λ=0の場合とはどんな状態なんでしょうか?)
NEXCO「設計要領第三集トンネル偏」2009.7,p59
地山の一軸圧縮強度quは、亀裂が無視できる地山では試料の一軸圧縮強度を適用できるが、亀裂などの影響が大きい地山においては準岩盤強度qu'を用いる。
qu'=qu(Vp/Up)^2
Vp:地山の弾性波速度、Up:試料の超音波伝播速度、qu:試料の一軸圧縮強度
日本道路協会「道路トンネル技術基準(構造編)・同解説」2004 p83、84
土木学会「トンネル標準示方書「山岳工法」・同解説」2006.8 p42
地山強度比による地圧の大小
紹介:土木学会「トンネルにおける調査・計測の評価と利用」1987 p75
紹介:土木学会「トンネルの地質調査と岩盤計測」1997 p117
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