2010年12月10日金曜日

地すべり 水抜きボーリングの目詰まり(その2)

もともとは、通水井戸の目詰まりの可能性を考えるため関連資料を探していましたが、出てきたのは地すべり施設関連ばかりでした。
その中でも、農林さんの「北陸地方の地すべりにおける水抜きボーリング工の目詰まりの実態と要因、地すべり学会誌43巻4号」では非常に詳細な水質データが掲載されています。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jls/43/4/_contents/-char/ja/
これだけ調べるのは、大変だったことでしょう。

このデータを使ってPHREEQCでFerrihydriteの沈殿量を求めると、下図のようになります。


拡大すると・・・↓



農林さんの場合、沈殿量が2E-6mol/kgで、「閉塞なし」と判定できるようです。


土研さんも「地下水排除施設集水管の目詰まりに関する検討、地すべり学会誌39巻4号」で水質データを公表しています。
こちらは、以下のようになります。


拡大すると・・・↓


コチラはやや不明瞭ですが、農林さんと同じように沈殿量が2E-6mol/kgで、「閉塞なし」と判定できるようです。


流動阻害対策の通水井戸、地下空洞の水封ボーリングなどでも、地すべりの水抜きボーリング同様に目詰まりの影響を検討しないといけない訳ですが、基本、「目詰まりする」と事前に判明しても、その位置に設けないといけない施設なんですよね。計算で結果がわかっても、心積もりができるといった程度でしょうか?

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