「断面図作成が、直接調査とコンサル業務で2重計上されている。誤りではないか?」
これ、誤りではありません。2重計上ではなく、1つの作業を2分割して計上する積算手法になっています(27年度は未確認です)。
国交省設計業務等標準積算基準書平成23年度版<標準積算基準書>
第2編 地質調査業務
http://www.mlit.go.jp/tec/gyoumu_sekisan.html
http://www.mlit.go.jp/common/001068099.pdf(p2-1-4、p2-2-16以降)
要は、以下の流れです。
- 断面図作成作業などにかかる費用を「直接人件費」「直接労務費」に分割。
- 「直接労務費」は一般調査の直接調査費として積算・計上(地質調査積算基準の「諸経費」の対象)
- 「直接人件費」は一般調査でなく、解析等調査業務(コンサルタント的調査業務)として設計業務等積算基準に従い積算・計上(設計業務等積算基準の「その他原価」の対象)
個人的な解釈ですが、あえて作業を定義するなら「直接労務費」は断面図に柱状図を落とすまで、というところでしょうか?ココまでなら、どなたがされてもほぼ同じ結果となりますので。
一方、コンサルタント的調査業務は、検討が必要な作業、例えば、断面図作成であれば調査目的(力学特性や水理特性)に応じた土層区分を行い、ボーリング間の土層ラインのつなぎ方を検討する、といった作業に該当すると考えるのが妥当ではないでしょうか?解析等調査業務は、積算基準に書かれている通り、「一般調査業務の調査資料に基づく高度な技術力を有する業務」ですので。
つまり、「断面図作成に関しては、すべてが高度な作業ではなく、部分的に一般的な能力で実施できる作業も含まれる。その費用は一般調査として計上し区分しましょう。」という意図だと思います。
あと、ボーリング本数での補正も問題ですね。業務内で1本掘っただけで、既存ボーリングを数本見なおし、新たな知見を加えて土層線を引き直した場合でも、補正係数はn=1本と解釈されることが多いですね。この場合は作業が格段に増えますので、「直接人件費」の補正係数は既往ボーリングも含めた数が正解だと思います(あまり金額は変わりませんが)。一方、既往ボーリングを見直さず、その基準に従って判断し線をつないでいく作業であれば、n=1で良いと思います。
お客様としては、これも定義がないので、業務で実施した本数にならざるを得ないのでしょう。
ボーリングを掘ったら、必ずコンサル業務(既往資料収集・現地調査、資料整理とりまとめ)が計上されることになります。また、断面図が必要な場合もコンサル業務(断面図等の作成)の計上が必要です。2重計上ではなく、国交省さんの上記理由に基づいた結果なのです。
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