2016年1月23日土曜日

V-nasClair STR_Kit

橋梁設計者から相談がありました。

「3次元で下部工と支持層の関係を表示できないか?1週間後に協議に行くので持っていきたいのだが?」

ええ、地質は3次元で作っていますので、「下部工の3Dデータがあれば可能」です。

昨年度、橋梁や堰堤などの設計図面から3D化という作業を実施しました。が、結構時間がかかります(地質の可視化のついでに頼まれたイレギュラーな仕事で、本職ではありません)。ましてや、今回は十数箇所。私の能力でこの工程は無理ですね。いえ、そもそも構造物の可視化は私の専門ではありません。

適当な形状で良いなら、V-nas Clair2015 + STR_Kit が良いと思います。別の橋梁設計者に聞くと、「まだまだ設計では使えないレベル」「表示に難あり」だそうですが、私のような門外漢にとって、短時間で似たような形状を作成・配置できることの方が重要です。躊躇なく選択・使用しますね。
https://www.kts.co.jp/seijyou/v_3dsub/index.html

Clair で下部工を作るには、まず線形を作成します。それに幅員や縦断形状を設定します。ココまではCivil3Dも似たようなものでしょうか。
で、ここから STR_Kit の威力発揮。形状を選択し、構造物の詳細な数値を入力、線形のどこに配置するかを決めて「更新」です。これで下部工の3Dモデルが完成です。設計結果を完全に反映されないため設計者には申し訳ないのですが、非常にお手軽でありがたいツールです。

線形はレベルで適当に作成し、3D下部工を作成。それをdwgで保存。Clair での出来上がりイメージは、このような感じです(デフォルトに近い橋台・橋脚を配置しています)。



これをCivil3Dで読み込んで計画位置に配置します。橋脚・橋台毎にブロック化されて取り込まれるので、配置も比較的容易です。下部工と支持層サーフェスを表示し、根入れの関係を可視化すれば完成。、ここまでで作り始めてから1時間弱でしょうか?現状は面データですが、Clair 2016ではソリッドになるそうですのです。


3次元可視化の良い点は、とにかく「分かりやすい」ことだと思います。
最近衝撃を受けたのが、ストリートビュー を使ったプレゼンです。3D 下部工を kmz で保存し、Google Earth で重ねて、ストリートビューで見せるといったモノ。kmz で計画を配置するところまではよく見ますし魅力を感じなかったのですが、ストリートビューでも表示されるのは知りませんでした。分かりやすいプレゼンでした。地元説明には良いでしょうね。

ただ、3次元化が「見せるだけ」では切ないですね(ヒトやベンダーによればこれも CIM だそうですが)。
設計に耐えうる形状を容易に検討・反映でき、数量を拾うことの可能なレベルまでソフトをブラッシュアップするには、まだ時間がかかりそうです。こちらを先行した結果、可視化といった付加価値が生まれました、と言うのがCIMの本質でしょう。
まだまだ変化は続きそうです。ついて行かなくてはなりません。

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20150126追記
SRT ではなく、STRですね。structure でしょうか。


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