が、持ち込み時に確認しますと、開口率が2%程度と小さめ(こちらも準備すべきでした)。特に低透水で影響が出るだろうと感じ、この休みの間に数値実験(浸透流解析)で影響を見てみることにしました。
条件は以下の通り。
・ストレーナー開口率1.7%(φ5mmの千鳥配置)
・ストレーナー区間長(試験区間長)は0.42m
・自然水位(平衡水位)は試験区間上端より0.25m上
・定常水位は試験区間上端より2.07m上(注水式定常法)
・流量は15L/min
ストレーナー周りのメッシュです。ストレーナー部分の要素を外して不透水としています。穴のあいた部分だけ地盤(緑)にくっつけて、通水するようにしました。内部(青)は仮に k=10m/s としています。境界条件としては、100m 外側に定水位(自然水位)を張ったのと、ストレーナー内部上面に定常水位を設定しました。試験孔を中心とした90度(1/4)の3次元モデルです。
現場透水試験結果として再現してみると、透水係数は k=1.4E-4m/s でした。一方、これを浸透流解析で流量の再現できた透水係数は k=2.5E-4m/s でした。倍半分ですが、思ったほど影響は大きくありません。
次に、ストレーナーがない場合(外した要素を土・水として戻しました)の計算をしてみました。
結果、同じ区間長の裸孔では 4.84E-4 m3/sの注入量が発生するようです。
その値を現場透水試験結果として計算してみると、透水係数は k=2.66E-4m/s となりました。浸透流の設定が k=2.5E-4m/s ですので、ほぼ正解です。昔の人は偉いですね。
透水係数を変えていくつか試してみましたが、やはり同様の結果でした。以下の通りです。裸孔では、浸透流で設定した透水係数と、現場透水試験の算定式による透水係数がほぼ一致するのに対し、ストレーナー使用時は後者が半減しています。ま、当然といえば当然の結果ですが。
透水係数のもっと低い側まで計算してみたのですが、桁落ちしてしまいました。グラフの k=5E-5m/s でも、桁落ちの影響が出ているかもしれません。
上記より、今回の条件では「開口率2% のストレーナーでは試験結果に影響が出る」ということになります。ただし、透水係数で倍半分といったところですので、オーダーで議論する精度を考えると、案外、影響は小さかったという印象です。倍半分は考察時にカバーすれば良いですね。
もう少し、透水係数が低い側でどうなるか、水頭差が低ければどうなるか、調べてみたいところです。
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20140923追記
やはり、低透水側で桁落ちの影響が出ていました。
http://phreeqc.blogspot.jp/2014/09/2_23.html
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