2014年9月20日土曜日

現場透水試験 その1

土砂部で現場透水試験を実施しています。

地盤工学会基準では、「単孔を利用した透水試験方法」ですね。
これ、案外、細かい取り決めがあります。

スタンダードな手法としては、「注水」or「 揚水」、「定常(低水位)」or「非定常(変水位)」の組み合わせですので、計4種になります(注水式の定常法など)。

注水か揚水かは、施工目的によって選択するのが理想です。
例えば、掘削による湧水量把握や、ディープウェルなどの地下水位低下工法を考えるのであれば、揚水式、薬液注入などでは注水式を選びたいところです。ただ、揚水式は孔崩れや孔内でのボイリングを発生させやすいので、適用し難い地盤も多くあります。孔が持たないようであれば、水位変化量を小さくするか、ストレーナー設置とするか、あるいは注水式を選択するか、となります。
また、現場条件も考慮が必要です。都市部で排水処理が困難な場合は注水式を、周囲に水源がなく利用できる水が少ない場合は揚水式を選択せざるを得ない場合があります。
あと、地下水位の直下で実施する場合も注水式になりますね。

非定常は、一気に孔内水を低下させるか、上昇させることが、適用条件となっています。一気に低下させる場合、当然孔崩れが発生し易いので、ここでも、注水式非定常法を選択する場合が多いと思われます。個人的には、一気に水理場を変化させることが難しく、またすぐに測定を始めるのもあわただしいため、定常法のほうが好みですね。
透水係数の高い場合はなかなか水位が上昇(下降)しませんし、戻りも一瞬ですので、定常法を選択することになります。基準では、k=1E-5m/s程度以上で定常法が適、1E-4m/s以上で非定常が不適となっています。が、透水係数は試験をして結果を出すまで分かりませんので、現場では水の下がり方、上がり方をもって判断します。具体的には、水位がほぼ落ち着くまで、1~2分程度(データ取得で10点以上)あるかどうかを判断基準にすれば良いと思います。

解説によれば、得られる透水係数は、揚水より注入でやや低め、定常より非定常でやや低めとなっています。経験上、そのような傾向はあると思います。定常・非定常で大きな差は感じませんが、注水と揚水では大きく変わる場合があります。洗い方が足りないのかもしれません。


手法選定のポイントをまとめると、以下の通りになります

・現場条件(排水処理、水供給)
・施工条件(揚水量?浸透量?)
・水位変化による孔崩れの有無
・水位変化の速さ

詳細はすべて基準に書いてありますし、地質屋さんに聞けば答えてくれると思います。


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