2014年9月20日土曜日

現場透水試験 その2

現場透水試験の孔の仕様です。

試験区間の仕様としては、「ピエゾメーター法」が最も多いと思います。ケーシングの下に、裸孔区間を 0.5 m 程度設け、そこで試験を実施する手法です。
地盤工学会基準の解説によれば、ピエゾメーター法は他の手法に比べて透水係数が高めに出るとのこと。鉛直方向に比べ水平方向の流れの影響が大きくなるためでしょうね。そのため、基準では「ピエゾメーター法」で統一を図っているようです。ただ、他の手法を妨げるものではないとも書かれています。試験深度が浅くても、そこまで孔のもたない場合が多いので、通常はケーシングを追っていきます。そのため、全深度裸孔の「オーガー法」で実施することはまずありません。あるとすれば「チューブ法(孔底法)」ぐらいでしょうか。

試験区間まで追い込むケーシングの段数、深度により、現場の手間が変わってきます。そのため、積算上は上記ピエゾメータ法でも「ケーシング法」、「2重管法」などと区分され、しかも深度別の価格になっていることが多いようです。

試験区間は清水掘り限定のため、コアチューブを抜いた瞬間 or 試験中に、孔壁の一部の崩れることがほとんどです。緩い砂礫や細粒分の少ない砂で顕著ですね。
2年前に改訂された基準では、試験後の試験区間長(孔崩れ)を測定し、それをデータシートの決められた欄に記載するようになっています。今まで、試験中に撮影する現場記録写真の深度と、データシートの試験深度(=試験後の試験区間長)が異なってしまうので困っていたのですが、これからは矛盾なく記載できるようになりました。

また、裸孔が持たない場合は、ストレーナー管を用いたピエゾメーター法とするか、「チューブ法(孔底法)」になります。ストレーナー管はφ86ケースに入るφ60のガス管を加工したものをよく見かけます(私もガス管を使用しています)。先端のみストレーナー加工とし、ネジ部にシールを巻きながらつないで挿入します。
ただし、開口率の問題について、具体的な解説はありません。引用文献を追っても出ていません。ま、透水性矢板で開口率1%以上あれば問題ないとされていますので、大きな水位差を与えない条件であれば、通常のストレーナーで案外問題ないのかもしれませんね。以前より気になっていますので、時間があるときに確かめておきましょう。


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