2014年9月22日月曜日

現場透水試験 その3

その他です。

当然、透水試験区間の掘削で、泥水の使用はダメ。孔内水平載荷試験(プレッシャーメーター試験)を実施する場合は泥水必須ですので、できれば本孔・別孔で2種の試験を分けるのがBESTです。本孔で透水試験・孔内水平載荷試験の両方を実施する場合、同深度は不可、透水試験を先に(浅い深度で)実施します。

揚水式定常法では、最近は小さなエンジンポンプを使うのが主流です。水位が深い場合のみ、小口径の水中ポンプを使用します。
注水式定常法の場合、ノッチがなくても塩ビの分岐をケースやガス管の頭につけることで実施可能です。ホースに分岐を付けて、流量を絞る方法もあります。

あと、現場で一番気にするのが止水ですね。
試験深度を決めた場合、その前段のケーシング追い込み時に止水をかけます。具体的には、無水で焼き付かせたり、打ち込んだりしてケース周りに水みちを作らないようにします。ストレーナーを入れる場合には、洗浄時にケースとの間で水位が変化しないか測定し、止水性をチェックします。ストレーナーの試験区間上端にシール材(吸水膨張材)を巻いて止水する場合もあります。ストレーナーやロッドを使用する場合には、接続ネジ部にシールテープやPEテープを巻いて漏水しないようにします。

内業では、適用式に注意が必要ですね。
試験区間と地下水位、あるいは難透水層との離れが孔径の4倍以上ない場合、鏡像理論を適用した式を使用します。また、孔崩れなどにより試験区間長が孔径の4倍を下回った場合には、4倍以上の仮定を取り払った式で計算します。このあたりは基準書の解説にありますので、結果的には条件に応じた式を選定するだけのことです。導出を追えば、納得できると思われます。ただ、市販ソフトでは、このあたりに対応していないものがあるようですので、気を付ける必要があります。ま、EXCELで処理されている方も多いと思いますが。

また、測定水位の記載にも注意が必要です。
試験手法のモデル図が基準書 p519 に載っています。h0の取り方が定常法と非定常で異なっていますが、これ、改訂で修正されていません。どちらでもよいのですが、水位差 s=|ho-h| となっていますので、GL表記か管頭からの表記かに統一しておく必要があります。
データシートにおいても、基準と矛盾する表記箇所があります。改訂の際は、ほとんど気にされていなかったのでしょう。データシートでは定常も非定常もGL表記となっています。しかもs=(h0-h)となっています。この辺は意識して記載する必要があります。


このように書き出していくと、それぞれ細かいですが、すべて当たり前の事項です。よく指導されたオペさんは、若い方でも常識としてルーチンワークに取り入れられています。
一方、私が当たり前のことを当たり前のようにできるようになったのは、ここ最近でしょうか?状況に応じてすぐに判断しないと現場が止まりますので、新しい情報が得られるたびに判断しなおし、指示するようになります。つい、あせって何かを忘れてしまいます。今まで良いオペさん達に助けられてきました。
最近は、お客様やオペさんよりも年上になることが多々あります。これからは彼らを助ける側にならないといけません。


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