2014年4月2日水曜日

菱鉄鉱と黄鉄鉱

顕微鏡で火山灰を探していると、見慣れない鉱物に出会いました。

淡い褐色の球果状で、まるでブドウ。その場で成長したことは明らかです。
研究職にXRD分析で同定してもらうと、Sideriteでした。少し調べてみましたが、還元性の淡水性堆積物中に生成するのだそうです。が、理論や根拠が詳細に報告されているものがありませんでした。ま、土層は還元性の色を示していますし、感覚的には納得できます。

その直上にはPyrite を含む有機質土が存在しています。余計に、なぜ棲み分けができているのか不思議でもあり、地化の教科書をあさってみました。
まず探したのは、predominance diagram 上でのFeS2 と FeCO3 の関係。これはすぐに見つかりました。温度や濃度の問題もありますが、pe-Eh-pH diagram での安定範囲はどちらも低電位側で被っていますので、析出時は同環境(還元環境)だったということで良いでしょう。そうすると、C、S、Feの量が棲み分けに関係しており、当然、海水か入ってきたか否かが大きな一因だったと推察できます(その程度のpHの差は安定範囲の中です)。それは、Eh-pS2- diagram からも読み取れます。

では、量比を変えて実際に 計算すれば、定性的な答えは出るでしょう。

続きは後日。




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