Itasca 社の UDEC を使用することになり、あわてて個別要素法の基礎を頭に叩き込んでいます。
http://www.itascacg.com/software/udec
いままで触っていたのは、微小変形を扱った連続体ベースの数値計算です。粒子法も連続体ベースですね。
今回は不連続体。この解法の基礎知識がかけているので、まず教科書を読むことに。
読んだのは伯野元彦「破壊のシミュレーション-拡張個別要素法で破壊を追う-」です。1997年ですから17年前の本。日本ではあまり流行っていないのか、日本語の図書は非常に少ないようです。
読んでみると以外に簡単でした。これ、今までで一番簡単な解法ではないでしょうか?(まだ一か所だけ数式で引っかかっていますが)
個別要素法( DEM : Distinct Element Method )や DDA( Discontinuous Deformation Analysis )を総称して離散要素法( DEM : Discrete Element Method )と呼ぶようです。今まで、DEM の正式名が2つあることに「どう使い分けるの?」と思っていたら、こういうことでした。DDA は昔、後輩が使っていましたね。名前だけは覚えています。DDA が要素内をFEMで計算しているのに対し、UDEC は差分です。どちらもハイブリッドには変わりません。
また、個別要素法を開発したCundall さんは、Itasca 社に在籍されているようです。UDECもこの方が開発されたのでしょうか?
個別要素法は、運動方程式をベースに、ブロックの速度を前進的に解いているといった比較的軽そうな解法ですが、要素の接触判定に時間がとられ、全体としてはかなり重くなりそうです(まだ動かしていませんので本を読んだ感覚ですが)。製品が採用しているアルゴリズム次第で、解くスピードが大きく変わってきそうですね。
また、要素間のバネを複数持たせることにより、水圧も表現できるようです。これは拡張個別要素法(EDEM : Extended Distinct Element Method )の説明の中にありました。バネとして水の体積弾性係数を使用し、要素間の間隙の変化率と間隙水圧を結び付けています。で、あとはダルシー則に従って流量を計算し、隣接する間隙水圧の差を調整。うまい考え方ですよね。UDECも水圧を表現できるのですが、同じ考え方でしょうか?透水係数を指定するところがなかったので、全く違うのかもしれません。これは後日、調べておきましょう。
ま、案外簡単に理解できてしまったので、とりあえずはソフトに慣れるところを目指しましょう。
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20140507追記
差分法でなぜ非構造メッシュが使用できるのか聞いたところ、解法は差分ではなく、時間だけ差分とのこと。ま、FEMでも時間は差分というのが良くありますからね。納得ですが、もっとマニュアルを読まないといけませんね。
20140510
マニュアルには、差分要素と書いてありますね。アワーグラスを避けるために3角形にしているとも。うーん。分かりません。
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