2014年4月19日土曜日

被圧水の広がり

ボーリングで岩盤を掘削中、被圧水に遭遇したそうです。
その平面的な分布を知りたいとのことですが、これ難しいですよね。

岩盤の場合、小指の先ほどの水みちでも湧水が発生します。亀裂中のその部分だけで湧水することが、水みちの成因を分かりにくくしています。また、問題に応じたスケールの亀裂構造を把握できないと、水みちの分布域すら議論できなくなります。正攻法としては、見えない初期地圧に気を配って水理地質を構築していくしかないのですが、それでも正解にたどり着けることはまれでしょう。この問題に関し、現在の地質屋の解決力は、圧倒的に無力だと感じています。ま、地質は無関係といったレポートもありますし、仕方ないのかもしれません。

ダムの手法のように、孔を多く設けルジオンマップを作成する、あるいはそこから地球統計学を利用して水理モデルを作成するといった手法があります。地質屋からすると正攻法ではありませんが、全く理屈がわからないけれども現象を整理できる点で有用な手法です。以前も似たようなことを書きましたね。

現状、調査段階で被圧水の平面的な分布を知りたい場合、どの範囲で知りたいか(改良したいか)を最初に決め、その中でボーリングを均等に配置していくしか手はないでしょう。そこから、グラウト効果判定を兼ねて1次孔、2次孔と追加していくしかないと思います。地質屋が悩むことも必要ですが、合理性を追えば、この手になるでしょう。
そこまでお金をかけることが難しければ、できる範囲の孔数で掘削時の応答を把握する、孔間透水試験(パルス含む)や単孔式透水試験、ルジオン試験などで透水性を把握する、程度でしょうか。

いずれにしても、どうにかしたい問題です。



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