平面ひずみ状態で思い出しましたが、10年以上前、地すべり学会のFEM講習会に言ったときの話です。
講師の方がSSRFEMを紹介されていました。地すべり学会誌の講座でも紹介されている手法です。http://www.landslide-soc.org/landslide/education/pdf/finite_element_method_for_landslide_analysis_04_40-3.pdf
あるモデルを説明する際に、「平面ひずみ状態であるから2次元モデルで表現した場合・・・」ということを言われました。「では、設定する強度定数も平面ひずみ状態のものを使用するのか?」と質問したところ、「モールクーロンの破壊基準が平面ひずみも三軸も関係ないので、そこまでこだわらなくて良い」と返答されました。
今でも真意はよくわかりません。実務的には2次元の強度定数は現状あわせなので、順解析でもそれなりの強度に調整するのでしょう。
2次元が前提であれば、SSRFEMは、良い手法だと思います。自動的に最もすべりやすい面の位置を探索できますし、地質的な弱面も反映できます。安全率も通常のLEMと同義なので、Fp=1.2の経験則を受け継ぐには実務上都合が良い手法だと思いました。
しかし、この手法は現在でもほとんど使われていません。鉄道の内部基準で取り入れられた程度でしょうか。安全率も含め、安定計算に関する経験則はかなり根が深いものなのでしょう。
ただし、道路土工の盛土基準に変形・浸透流解析が取り入れられたこともあります。非常にゆっくりですが真実に近いモデルで解きたいといった純粋な技術者の思いや、ハード、ソフト面でのFEMの裾野は広がりつつあると感じています。今後の動向に着目です。
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