2018年10月19日金曜日

洪積層と更新統

洪積層の液状化について、再度検討。
https://phreeqc.blogspot.com/2018/06/blog-post_88.html

示方書が 洪積層=「概ね」更新統 としているのは、臨海部の2~1万年前の軟弱層を、慣習に外れて洪積層と呼ぶのは不都合という点もあったのでしょう。沖積層・洪積層から完新統・更新統に完全移行できなかった理由の一つと推察されます

この沖積層、洪積層、完新統、更新統の微妙な扱い方は、第四紀学会HPにも記載されています。http://quaternary.jp/QA/answer/ans021.html
なお,沖積低地の構成層である沖積層の基底面は最終氷期の最大海面低下期に形成された不整合面に相当すると考えられ, この最大海面低下期は更新世末期の約2万年頃にあたっていて,日本第四紀学会のホームページ (第四紀の地位と新定義 -完新世の開始期の定義- ) で解説されている約1万年前の完新世と更新世との境界とは若干のずれがあります.このことから,井関(1966, 1983)は, 沖積層の堆積した時期を沖積世とよぶことには意味があると述べており, 現在でもとくに平野部や臨海部の第四紀末期の最大海面低下期以降の堆積物を総称する場合には沖積層という用語が用いられています. なお,内陸部の地層については浅層の河川堆積物については沖積層とよんでも良いと思いますが, それらを構成する砂礫層の下部は最終氷期までさかのぼる場合も多いと考えられるので, 完新統および更新統(最上部)というような表現の方が良いと思われます.
液状化を例にとると、本来は堆積履歴を考慮した補正が必要なのでしょう。基準に載せ得るとすれば、それは地質屋の技量に依存するものでなく、普遍的な指標値を、容易に、安価に得られる試験とバックデータに依ることが必要です。
今の簡易判定を続ける限りは、良くも悪くも地質屋さんの匙加減ひとつということになります。改善の余地が残っているということです。


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