2014年2月23日日曜日

FL値による液状化判定

地盤工学会「入門シリーズ35 地盤・耐震工学入門」の備忘録です。

・波形(荷重不規則性)の影響(p110)
不規則波(地震波)と、正弦波20波の相違について


・FL値による判定(p116)
FL=R/L
R=Cw・RL
L=khg・γd・σv/σv'

RLは繰り返し3軸試験(液状化、非排水)で求められる、繰り返し三軸強度比(液状化強度(応力比)、繰り返しせん断強度比、せん断応力比、20波のときの繰り返し応力振幅比、などとも)。20波で液状化と定義したときのせん断応力/拘束圧ですから、イメージは、この土が拘束圧の何割の応力で液状化に至るか(何割まで液状化を我慢できるか)示す値ですね。

Cwは補正係数。地震波形をみると、海洋型(タイプI)は繰り返し回数が多いが、内陸型(タイプII)は少ない、そのため、海洋型で1.0、内陸型で1.0~2.0とし、内陸型のほうが液状化に対し踏ん張れる補正となっているようです。

残るLはτ/σv'です。推定が入るので誤っているかもしれませんが、イメージは以下の通りでしょうか?
水平震度 khg は Fmax =m・amax = m・khg・g で、地震の最大加速度として重力加速度の何割を考慮するか示す値でしょう(p184、p214)。道路橋では地域の特性・重要性等を加味してさらに地域別補正係数を乗じますね。整理してkhg = amax/g
地表での水平震度 khg を評価したい深度までで補正する係数がγd。で、補正した加速度aはγd・khg・g = γd・amax/g・g
m は評価したい深度より上位の土柱の質量で、γ・z・1・1/g
その土柱が地震で動かされる力が F =m・a = γ・z・1・1/g・γd・amax/g・g =γ・z・1・1・γd・amax/g
1m2あたりの応力(地震によるせん断応力τ)に直すと、τ=F/1/1=γ・z・γd・amax/g = σv・γd・amax/g
せん断応力を有効上載圧で正規化して、L=γd・amax/g・σv/σv'
そうすると、Lは有効上載圧の何割のせん断力が地震によって与えられるか(地震によって土柱が動こうとするか)を示す値と言うことでしょう。

つまり、FL=液状化に抵抗する力/地震によって加わる力ですね。安定計算の安全率と同じ形です。
今まで、知ったつもりになっていましたし計算もしてきましたが、設計水平震度の定義について理解していませんでした。ようやくモヤが取れて全体がスッキリ見えてきた気がします。ただ、RLとLで正規化の異なる点はまだ理解していません。試験が等方圧密スタートということで、とりあえず置いておきましょう


・Newnark法(すべりブロック計算)の説明(p130)
道路土工に入っている手法ですね。
簡素ですが分かりやすい説明です。感覚的には安定計算の過程を追うのと変わりません。
F = ma の形でそろえて、未知のuを求めるだけという単純さです。


・ALID(p134)



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