2011年11月1日火曜日

N値からせん断剛性 その2

ALIDの論文が会社の倉庫にありました。
http://library.jsce.or.jp/jsce/syosi/ronbun/ID127918.html

自重解析後、液状化後の低下した剛性を出発点とし、静的に解いていますね。ですから、Vsや地震波はパラメータ推定にも計算にも必要とされていません。先日も記載しましたが、なかなかユニークな発想だと思います。汎用ソフトでも工夫すれば取り込むことができそうですね。

設計の方が気にされていたG0に関して言えば、

  1. 静的せん断試験より、せん断ひずみγ=10-3の時のG
  2. E=2800N,ポアソン比0.33を仮定したG・・・水平方向の平板載荷相当(通常10-2以上になると思います。)

ですから、低減率が違うのですね。設計の方は勘違いされていたようですが、G0の設定にVsは使用されていません。

ちなみに計算中は非排水状態を仮定しポアソン比0.49程度を使用しています。水圧の消散過程をモデル化しなくて良いのでしょうか?流動だから?感覚的には他の有効応力-弾塑性コードに比べ変形が大きく出そうな気がしますが、どちらが現実とあっているのかは経験がないので分からないですね。その辺はベテラン技術者の出番ですし、来年度の課題としましょう。

また、「ロッキング>減退積分>ゼロエネルギーモード発生>回避」や、「基準配置、微小変形理論で大きな変形を解くことも可能」あたりが興味惹かれました。久々に得るものの多い論文でしたね。


液状化と聞くと、すぐに「繰り返し三軸やPS検層が必要!」と思い込みがちですが、設計が使用するコードの理論や中身を知らないと、調査計画すらできないですね。

今回はいろいろ学ぶことがありました。

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