2025年8月10日日曜日

GNN + CAE

 [2107.11529] Graph neural networks for laminar flow prediction around random 2D shapes

書名だけ見て購入し、失敗した図書で引用されていた文献。図書については後日。

AI要約

2次元ランダム形状周りの層流予測問題において、GCNN用いたサロゲートモデルを提案。従来のピクセルベースCNNとは異なり、CFD(数値流体力学)で一般的な三角形メッシュ上で直接グラフ畳み込みを実行可能とすることで、物理シミュレーションと深い親和性を実現した。ランダムな2次元形状まわりの流れ(2,000例)をCFDで計算・データセット化し、これを学習に利用。未知形状に対する速度と圧力場の再構築精度は従来のU-netと比べてパラメータ効率面で優れており、特に境界層付近で高精度であった。GCNNで再計算した流速・圧力場によりドラッグフォース(抗力)も高精度で積分計算でき、GCNNの有用性を示した。

GCNNと解析のリンク方法:
CFD計算で使われる三角形メッシュのノード(頂点)とエッジ(辺)を、グラフのノード・エッジと対応させている。
GCNNはノード間の隣接関係を用いて局所的な特徴抽出を行っている。つまり、CFDでの有限要素法や有限体積法と親和性が非常に高い計算構造である。
メッシュをそのままGNNの入力データとして使うので、CFDで生成された流れデータ(速度・圧力場)をそのままGCNNに投入可能。これにより物理的形状や境界条件、流れの詳細構造を損なうことなく、ニューラルネットモデルによる高速な予測・再構築が可能となっている。

インプット:
・ノード座標(x, y)
・障害物境界情報(どのノードが障害物境界かを表すマスク)
・(場合によって)周囲のメッシュ情報や初期値など

入力は特徴量行列としてGCNN内に与えられる(ノードでは座標やマスク、エッジではノード間の距離など)。

アウトプット:
流速ベクトル u, v(x, y方向速度)、圧力 p

入力された障害物の形と位置などの情報から、GCNNはメッシュノード上の速度・圧力場の空間分布を出力し、その結果がCFDの計算値と合致するよう学習する。予測は未知形状に対しても一般化が可能である。

解析フロー:
ランダムな2D形状をBézier曲線で生成
それぞれの形状に対してCFDで速度・圧力場を計算(三角形メッシュ上に投影)
入力として「三角形メッシュ+座標」を用意
グラフ畳み込みブロックでメッシュ上の情報を伝播・集約・平滑化
各ノードでのu, v, pを出力(流れ場として再構築)
CFD値とのMAEで学習
学習済みモデルで未知形状の流れも高速予測可能

GNNには以前から興味があるのですが、まだ触ったことがありません。感覚的にはどのようなことをしているのか理解できるのですが、具体的に動かすとなると勉強が必要です。
学習用の解析を2000程度実施しても元が取れるというのは、それなりのモノづくり分野ならではでしょう。3次元浸透流では使いづらい、というのは以前にどこかで書き残したと思います。


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