2021年7月24日土曜日

InSAR time series analysis

先日の水位の話を聞いてから、連休中に InSAR の 時系列ツールの状況を把握しておこうと考えていました。

ANATIS
JAXA さんが開発を進められていたツールです。2019年に有償で利用者を募集されていましたが、その後の話は聞こえてきません。検索しても出てこないので、検証中ということでしょう。
経産省さんの下、Tellus でも ALOS2 のデータは蓄積されつつあります。が、解析に自由に利用できる状況ではありませんし、量も十分ではありません。従来通り ALOS2 データも解析ソフトも有償で購入してください、となると利用促進は期待できないでしょうし、海外に勝てない状況は続くでしょう。

SARPROZ
MATLABを利用したGUIを備えたコードです。HPのきれいな絵と時系列グラフに惹かれて使用しました。手順が分かりやすく、unwrap も実装されています。が、私の環境では最後まで動きませんでした。2時期の DInSAR としては初めてきれいな絵を得られたので、残念。
クラウド上のデータをサーバー側で解析するのではなく、データをすべてDLしないといけない点は、やや古い仕様です。

GEE
これはまだ SLC、DInSAR に未対応でした。

LiCSAR
: An Automatic InSAR Tool for Measuring and Monitoring Tectonic and Volcanic Activity
https://www.mdpi.com/2072-4292/12/15/2430/htm
これは素晴らしい。このようなシステムが稼働していることを知りませんでした。蓄積され続けるSentinel-1 のデータを自動処理し、DInSAR などの結果をDLできるよう公開されています。速度面でも可能なのですね。感服です。
https://comet.nerc.ac.uk/comet-lics-portal/

This interactive map provides links to EU Copernicus Sentinel-1 InSAR products available for download from COMET-LiCS. Interferograms and coherence maps have been produced automatically using the LiCSAR processor, which builds on the Gamma SAR and Interferometry software.

速度計算・時系列表示に関しては、LiCSBAS を利用とのこと。
LiCSBAS: An Open-Source InSAR Time Series Analysis Package Integrated with the LiCSAR Automated Sentinel-1 InSAR Processor
https://www.mdpi.com/2072-4292/12/3/424
これも画期的。python コードを bash でつなぎ、注目個所の時系列データを自動で作成してくれる内容です。SIP 1期の研究を軽く超えたのでは?
国土地理院の地理地殻活動研究センターの方が第一著者です。気付いたときは「国がSentinel で良いのか?」と思いましたが、データ整備に取り組まれているのは経産省さんなので問題ないのでしょう。精度によっては、宇宙開発利用大賞を受けるに値する成果だと思います(組織的にありえないでしょうが、開発としてはここ数年でダントツでしょう)。LiCSAR の著者でもあるので、将来的に地理院地図にHPと同様のシステムが実装されるかもしれません(マップ表示のみのデモは既に公開されています)。楽しみです。


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