2019年7月25日木曜日

事前確率

ベイズ統計について初心者用の図書を購入しました。

松原望「やさしく知りたい先端科学シリーズ1 ベイズ統計学」

本当に優しく、2日で読み終わりました。で、感想。
「私はベイジアンだったのか」

物事が起こるたびに、期待値を変更します。それが経験則となります。その過程をベイズ更新として肯定されているので、馴染みやすかったですね。

以前、機械学習による胃がんの検出例についての疑問を書き残しています。
これと同様の内容を、ベイズ統計の考え方で説明されている個所がありました。わかりやすかったですね。事前確率の重要性を尤度と同レベルで述べられています。
この場合、事前確率が非常に小さい、ということを見落としてしまうと、80%の精度の検査で陽性、ということに驚いてしまうかもしれません。メディアなどでもAの事前確率を隠してBの尤度(条件付き確率)だけを提示して印象を操作しようとすることがあります。これからの世の中では事前確率やベイズの定理を意識しながら、冷静に提示された数字や情報、データを読む力が肝要となってくるでしょう。
雨が降って、災害が発生するかしないか。尤度を90%程度に引き上げることは比較的容易です。問題なのは上記の例と同じくらい低い事前確率。尤度を99%近くまで引き上げないと、「命の危険があります」と繰り返してもオオカミ少年状態。この数%が難しい。
医学分野ではどの程度でスクリーニングに「有用」と判断されているのか知りたいところです。

以前からデータを読む力は重要であったに違いありません。近年では、量・種類共に膨大なデータを加工する能力と共に、その力が必要に迫られているのだと考えます。

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