ビジネスモデル特許というのは、結構身近にあるようです。
携わっている仕事の一部が、どうやら他社のビジネスモデル特許に引っかかりそうだと分かりました。いえ、先輩はずいぶん前に御存知で、その辺りのことは既に手を回し、処理図済みだったのですから驚きも倍です。技術以外のことも勉強しないと、やっていけないようです。
今回は、例えば以下のようなことでした。
ある先生が、FEMをつかった変位解析手法を論文で発表しました。それを見たA社がコーディングし、誰でも使えるように公開しました。B社はそれを改良し、変位についてより精度を高めることに成功しました。これも論文で公開され、皆が自由に手にすることができ、技術の発展に大きく寄与しました。
ここで登場したのがC社。B社の改良ソフトをある現場条件に利用し、変位ではなく応力についての利用法をビジネスモデルとして特許申請しました。今まで、皆が変位にばかり注目し、たまたま一緒に求まる応力について触れていなかったのです(実際はそんなことはないでしょうが)。
それを知らないD社が、B社の改良ソフトを使って応力について求める業務を行いました。が、運悪く、その条件がC社の申請した条件と合致してしまいました。
似たことことが、現実にあるんですね。
誰が悪いのかというと、感情論ではC社です。が、違うんでしょうねえ。
そういえば、IPS細胞の作成等でノーベル賞を受賞した山中教授は、特許管理についても力を入れていると、テレビで見たことがあります。知財管理・契約を専門とする部署があるようで、特許の権利を大学に取得・管理させることにより、学術研究への無償提供による発展、他者や企業の特許取得による実用化の遅れ・独占防止、研究分野全体への支障を防ぐというような趣旨だったと思います。
ま、これは本当の特許で、ビジネスモデル特許とはかけ離れたものなのですが、通じる物はあると思います。研究者や企業は良い論文を発表するだけでなく、その発展や実践も視野に入れ、先々手を打っておく必要があるのでしょう。
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