大気拡散シミュレーション、事前に準備されていましたね。
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を文部科学省のもと日本原子力研究所が開発していたいたようです。気象データや全国の環境放射線のデータを常に収集しているようです。
http://www.atom-fukushima.or.jp/qa/qa-174/anther.shtml
今回のような事故が起こった場合、文科省は放出源データを原子力安全センターに提供し、計算するように指示します。ここからがこのシステムのすごいところで、風速の推定や濃度分布予測を15分で計算してしまうようです。私は早くて1日ぐらいかなと思っていましたが、15分です。それが地方公共団体まで配信されるようですから、行政の避難指示判断にはものすごく役立ちますよね。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030106.html
inputをみると、細かいですね。広域シミュ用に、測定値を入力して拡散させるのかと思いきや、そうではないようです。詳細シミュレーション用でしょうか?放出減情報だけでも、原子炉停止時刻、放出継続時間、放出高さ、放出開始時刻、放出核種名、放出率、燃焼度などが必要なようです。
広域で水平方向100km、鉛直方向4km、詳細で水平方向25km、鉛直方向約2kmの領域を解析するようです。計算も広域から詳細へと流れており、効率がよさそうです。世界版SPEEDI(WSPEEDI)も開発済みのようですね。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030112.html#kaisetsu_09
理想的なシステムですが、肝心の事故で役に立たないのではどうしようもありません。
宮城県や福島県内のモニタリングデータは、全個所調整中のままです。地震・津波の影響で採取できないのか公表しないで中央が判断しているのかはわかりませんが、現場主義ではなかったようです。
何事でもそうですが、人間の知恵はこの程度だと思います。そこに「想定外」を持ち込むと、進歩はありません。
0 件のコメント:
コメントを投稿