2011年3月31日木曜日

HP1データ並び替え

HP1 (HYDRUS-PHREEQC)の計算結果を視覚化するには、HYDRUS 1Dのグラフ機能よりも、gnuplotの方が分かりやすいと思います。gnuplot用のデータも書き出せますので、チェックを入れておきたいですね。
http://www.gnuplot.info/

数値データも書き出されています。nod_inf.outとnod_inf_chem.out が該当します。前者が輸送、後者が反応に関するデータです。ただ、time step毎に書き出されていますので、項目別のデータに並び変える必要があります。前者に関してはこちらにUPされています。
http://www.bio.mie-u.ac.jp/junkan/sec1/lab5/hydrus/index.html

反応に関してはUPされていませんでしたので、作成しました。こちらにUPしています。

https://sites.google.com/site/geochemist001/resources/nod_inf_chemdeta-narabe-kae--hp1
selected_outputで指定した項目毎に並べ替え、簡易グラフを書きます。まだ細かい設定を詰める必要はありますが、暫定版ということで。selected_outputではdistance、timeをtrueにして書き出しており、このデータを使ってグラフを書かせています。(Falseでも出てくる項目かもしれませんが、必要なので、trueにしておきましょう。)


selected_output
    -file                 selected.out
    -distance             true
    -time                 true

HP1の感度分析

仕事も落ち着き、夜、時間ができてきましたので、HP1を使った計算をしていました。

1次元は楽ですね。ついこの間まで3次元移流分散を1週間以上かかって計算し、結果に打ちのめされていた身には、ちょうどよい息抜きです。

Pyrite、Calcite を含む材料を使用した不飽和盛土を想定し、非定常の雨を10年降らせ、浸出量とpH、各種濃度を計算しています。今日は初期の化学環境設定をいろいろ試し感度を見ていたのですが、かなり結果に効いてきます。特にO2の取り扱い。Open前提でやっていますが、この程度でpHが大きく変動します。

一度、整理しないといけないかもしれません。

2011年3月30日水曜日

分光光度計

分光光度計を使おうとしている方がいらっしゃり、ここ2、3日、いろいろとテストしていました。

島津のUV-1200という古い機械ですが、電源を入れるとちゃんと動作していました。
外部接続にはRS-232Cが使えますが、最近のPCではポートがありません。古いノートを用意しケーブルを接続しました。が、通信できません。設定や通信ソフトを変えてみましたがダメ。ケーブルを変えてみると、あっさりできました。どうやら最初に接続していたのがストレートだったようです。

で、今日、テストしようとするとPCが立ち上がらなくなりました。ハードを移し替えたPCでは起動したので、マザーが故障していた模様。

で、再度テストをしようとすると、今度は分光光度計が立ち上がらない。故障した模様。修理見積もりだけで4~5万だそう。新しいの買ったほうがよいような気がします。

ほかにも古い分析機がたくさんあるのですが、そろそろ故障しだす時期なのかもしれません。XD-D1のデータロガーのPC-98が壊れると、厳しいですね。



4/12追記
メーカの方に見ていただくと、故障ではなく、ケーブルがダメとのこと。確かにマニュアルにケーブル中の配線が書いてありました。専用ケーブルで接続すると、問題なく動きました。8000円でした。線切って接続変えたほうが安くついたなあ。

2011年3月23日水曜日

東北地方太平洋沖地震 その11

久慈の石油蓄基地は地上施設が倒壊し、大きな被害を受けていました。
地下備蓄の被害も気になっていたのですが、先週、JOGMECから発表がありました。
http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2010/newsrelease_110317.pdf

どうやら無事だったようです。
立坑の施設、底水排水槽はどうなっているのか?と思っていましたが、やはり排水はできない状況のようです。地上設備の復旧が急がれますね。水封水の供給も止まっているようですが。まあ、気化・漏洩の可能性は低いでしょうから近いうちに復旧すればそれほど心配はないでしょう。

しかし、LPGの地下備蓄だったら「近いうちに・・・」と悠長なことを言っている場合ではないでしょう。そのあたりも考えて瀬戸内に作られているのでしょうか?また検討で工期が延びるかもしれませんね。

断裂系の形成順序

ためていた文献の整理中、以下の報告に目が留まりました。
横山ほか「西南日本内帯の後期白亜紀花崗岩の系統的断裂系・風化帯構造と斜面変動」
断裂系の形成順を応力場の変遷とともに考察されています。古い広大の研究報告から発展したような内容でした。

私は数年間、地下深部の領家帯結晶質岩の観察をしていたことがあります。目的は変形解析のための亀裂構造・連続性の把握と、浸透流解析のための水理地質構造(湧水亀裂の成因と構造)の把握でした。(結局は十分な結果は出せませんでしたが。)
この調査の一つとして亀裂形成順の検討が必要だったのですが、出てきた結論はこの報告と一致するところが多くあります。異なる点もありますが、それは機会があれば述べましょう。

この論文を読んで感じたことは、以下の通りです。
①地表付近、風化花崗岩の露頭がメインでよくこれだけの結果が導きだせたと感心しました。私達のように新鮮岩ばかりの恵まれた環境ではないのに同じような答えを出せるのは、さすが研究者。
②我々はある問題を解決すると報酬に結びつくため、このような調査を行いますが、研究者は問題を解決するわけではないので報酬がありません。利用法があるのにもったいないことです。

理学系の存続が厳しいといわれつつも、こういった研究成果が出てくるのは喜ばしいことです。

2011年3月20日日曜日

HydroGeoSphere

HydroGeoSphereのマニュアルを見ました。

今まで、地表流を考慮するためのテクニックとして、地表面の上にダミー要素を載せることを考えていました。誰もが一番に思いつく手法です。しかし、収束させるために時間ステップの取り方を工夫する必要があるでしょう。
HydroGeosphereは地表流を2次元や1次元(河川など)で計算し、3次元の浸透流と連成させています。なりほど、こういうやり方があるんですね。
価格は$2,850~3,800です。安いですね。
http://www.sciencesoftware.com/product.php?productid=148

機能はMODFLOW+SURFACTとほぼ同じですね。Visual MODFLOWではSURFACTの輸送機能が使えません。Arc GIS+Arc Hydroでも境界条件の設定までは無理でしょう。プリ付きで買うべき?買ってくれないでしょうね。

なかなか完璧!というものはありませんが、環境は整いつつあるようです。

東北地方太平洋沖地震 その10

毎日新聞社のonline版より東電社長のコメント。
「極めて重く受け止める。広く社会の皆様に大変なご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げる。自然の脅威によるものとはいえ、痛恨の極み」
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110319k0000m040051000c.html

自然の脅威が原因と考えられているようです。安全なものを作るには自然の脅威を抑え込む必要があると考えられているのでしょうか?で、抑え込めなければ「想定外」が出てくるのでしょう。繰り返しですね。
あるいは天災・労災、保障、会社の存続まで考慮したコメントなのかもしれません。TOPとして。

2011年3月19日土曜日

Arc Hydro

Arc Hydro、期待はずれでした。

いえ、こちらがArc GISに組み込める、地表流まで考慮可能なシミュレーションツールだと思いこんでいただけなので、勝手な期待だった訳ですが。それでも残念。

シミュの前処理として必要な機能は備えているようです。Civil3Dに組み込めるGEORAMAのようなものでしょう。対応コードは、MODFLOW、FEFLOW、HydroGeoSphereの3種のようです。
この中で、HydroGeosphereは知りません。地表流も扱えるようなので、調べておきましょう。

東北地方太平洋沖地震 その9

塩竈市出身の後輩がいます。

御両親は御無事なようですが、帰郷する手段がないため、淡々と仕事をこなしています。SPEEDIや汚染の話もします。今後の復興計画についても冗談を交えながら話します。内心、つらいとは思います。

昨日、TOPの一人が「今こそビジネスチャンス」という趣旨の談話をWAN上にUP。それを受けてか、別のTOPの一人が、「不謹慎」とメールで支社構成員に談話を送付。
前者は会社を大きくすることはできるかもしれませんが、構成員に対する発言の時期を見誤っており、求心力に欠ける気がします(もともと好かれていないようですが)。後者は会社を大きくできないかもしれませんが、丈夫な会社を作るような気がします。
現段階で経営者としてどちらが正しい判断をしているのか私にはわかりません。ビジョンの有無だけの話なのかもしれません。ただ、「思っても、口にすべきでないよね」「上層部で起こっている騒動に、構成員を巻き込まないでくださいな」と呆れている構成員が多くいる会社、統一したビジョンが示せない会社は、すでに強くないということでしょう。

塩竈の彼は、この騒動をどう思っているのかわかりませんが、今日も淡々と仕事をしていました。

2011年3月16日水曜日

東北地方太平洋沖地震 その8

Spiegelのonline記事がありました。ソースはAustriaのZAMGという機関のようです。ドメインがacなので、大学のような組織でしょうか?北東の風により、首都にも飛来する可能性があるというのが強調されていますね。
http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/0,1518,750835,00.html

こちらに解説があります。
http://twitter.com/hayano
100kmですか・・・まあ、そんなもんかもしれませんね。当然、国外への拡散を予測した広域解析なので、避難指示に利用できる詳細シミュとは目的も精度も違います。国内での利用価値は無いでしょう。

国内の詳細シミュが出てこない理由として、SPEEDI、観測網が役に立たなくなっていることが取り上げられています。NHKニュースに出ていました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110316/t10014705241000.html
ただ、これは自動化できないだけで、(気象条件等の精度は落ちても)計算は手入力でできるわけですから、公表できない理由にはなりません。ま、国なりの、別の理由があるのでしょう。

次は拡散した物質が土壌に付着し、農作物や地下水へどれだけ影響するかというところへシフトするのでしょうか?それとも近海の漁業への影響評価でしょうか?いずれにしても汚染源、詳細拡散シミュが出ない以上、現実的な解析はできないでしょう。
関東・東北産の風評被害のほうが先行しそうですね。

東北地方太平洋沖地震 その7

韓国の気象庁HPに、福島の原発事故を想定したと思われる拡散シミュレーション結果が掲載されました。
数字は全く見えませんし、精度はわかりませんが、「韓国には届きませんよ」というのを国民にアピールする目的だと思われます。しかし、ハングルはわかりませんね。
http://web.kma.go.kr/notify/focus/list.jsp?bid=focus&mode=view&num=464

twitteやブログで拡散しつつあるSPIEGELのシミュは、online記事が見つかりませんでした。解析結果だとすればかなり地表に近い部分の濃度表示でしょうか?これだけだとガセなのか正しい結果なのか判断できないですね。

ただ「これなに?」とか、「驚いた!」というコメントがあり、一般の方にとっては想像もつかない結果のようです。やはり、日頃から知らせる努力が必要なようです。

2011年3月15日火曜日

東北地方太平洋沖地震 その6

大気拡散シミュレーション、事前に準備されていましたね。

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を文部科学省のもと日本原子力研究所が開発していたいたようです。気象データや全国の環境放射線のデータを常に収集しているようです。
http://www.atom-fukushima.or.jp/qa/qa-174/anther.shtml

今回のような事故が起こった場合、文科省は放出源データを原子力安全センターに提供し、計算するように指示します。ここからがこのシステムのすごいところで、風速の推定や濃度分布予測を15分で計算してしまうようです。私は早くて1日ぐらいかなと思っていましたが、15分です。それが地方公共団体まで配信されるようですから、行政の避難指示判断にはものすごく役立ちますよね。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030106.html

inputをみると、細かいですね。広域シミュ用に、測定値を入力して拡散させるのかと思いきや、そうではないようです。詳細シミュレーション用でしょうか?放出減情報だけでも、原子炉停止時刻、放出継続時間、放出高さ、放出開始時刻、放出核種名、放出率、燃焼度などが必要なようです。
広域で水平方向100km、鉛直方向4km、詳細で水平方向25km、鉛直方向約2kmの領域を解析するようです。計算も広域から詳細へと流れており、効率がよさそうです。世界版SPEEDI(WSPEEDI)も開発済みのようですね。
http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030112.html#kaisetsu_09


理想的なシステムですが、肝心の事故で役に立たないのではどうしようもありません。
宮城県や福島県内のモニタリングデータは、全個所調整中のままです。地震・津波の影響で採取できないのか公表しないで中央が判断しているのかはわかりませんが、現場主義ではなかったようです。
何事でもそうですが、人間の知恵はこの程度だと思います。そこに「想定外」を持ち込むと、進歩はありません。

東北地方太平洋沖地震 その5

Australian Radiation Services ロゴの例の絵は、やはりガセでしたね。
東側に隣接国がないので、シミュ結果も出てこないのでしょう。中国や韓国の事故だったら、日本は確実に実施・公開しているでしょうが。

私の携わっている現場の、地震直後の様子が送られてきました。液状化が起こり、多くの観測孔から地下水が噴き出していました。水田でも噴砂が広く堆積しています。プラントは止まったままです。ある会社の社屋は流されたようです。こういった現象が、500kmという広域で発生しているのでしょう。

2011年3月13日日曜日

東北地方太平洋沖地震 その4

拡散シミュによるものと思われる影響予測の例が出てきましたね。・・・海外から。

1箇所がmeltdownした場合、6日から10日で北米西海岸に到達する絵がYouTube、twitter、ブログに拡散しています。3号機もmeltdownすれば、どうなるのでしょう。ロゴのAustralian Radiation Servicesのofficial HPには載っていませんのでコメント通り販売書物からの引用か、ガセかはわかりません。ソースの出所が不明なのと、結果が雑なので、後者の可能性が高いと判断しますが、ネット上の拡散の速さ、レスの付き方をみると、原発事故に対する海外での関心の高さは理解できます。

http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=fukushima-core <こちらによれば、今起こっている現象はstation blackoutと呼ばれ、非常にまれな状況ではあるものの、何十年も前から懸念されていた事象のようです。onsite, offsite powerの両方がある事象によって切断される確率は計算しにくい(想定しにくい)ようですが、三陸沖では地震と津波がセットで来るのが分かっているので、予想されていたはずです。予想以上の津波が来て、両方ダメになったというのは、マニュアル上は良いのでしょうが、住民や世界に対して納得させる説明ができるのでしょうか?
ただ、設計技術者も職員の方も、今は「命をかけて」対応されていると思います。大変なことだと思います。なんとか2次災害に合わないよう、食い止めてください。

一方、国内では、現時点で被爆者が20人以上出ていますが、詳しい状況は公表されていません。情報統制も必要ですが、周辺住民の方、東北地方の方の心情を思うと、どうなんでしょうか。

2011年3月12日土曜日

東北地方太平洋沖地震 その3

「これまでに経験したことのない・・・」「未曾有の大地震だから・・・」は技術論では理由になりません。

以前、中越地震の際も「壊れるべき(壊れるように設計した)ところが壊れたのに、メディアはさも危険なように報道する!」と、設計者の方は嘆かれていたようですが、今回はどうなんでしょう。予想外のことが起これば、放射能漏れも起きるというのでは、住民の方は納得されないでしょう。

「まさかこんなところまで津波が来るとは思わなかった」と言われていた住民の方を見ますと、津波シミュの結果をどう伝えていくかが課題であると感じました。土石流にしても、一般の方は危ない所に住んでいるという情報を案外御存知ないものです。伝える努力、工夫が必要です。

ただ、今は全力で対応されている方々の無事を祈ります。

東北地方太平洋沖地震 その2

被害の状況が見えてきました。
時間経過とともに見えてくるところは阪神と変わっていません。次にメディアが報道するのは震災ストレスでしょうか・・・。病院の状況は詳しく報道されていないですね。

原発は爆発していましたが、どうなるのでしょうか?当然、事前に拡散シミュはされていると思いますが、まだメディアに出てこないですね。出せない結果が出ているのでしょうか?事故状況や数値にしても公表すべき情報を厳選しているのでしょう。

twitterのヤシマ作戦。ネーミングが人を動かしましたね。(#yashimasakusen110312


TEPCOさんの回復状況を待つ間、節電に協力しましょう。
こういった形で広域の人達が協力することは、想像できませんでした。効果は不明ですが、喜ばしい動きです。


東北地方太平洋沖地震

今日は電波の届かない山奥で作業をしていましたので、東北太平洋沖地震のことを知ったのは夜でした。

「M8.8の地震があったよ」と聞きましたが、阪神大震災より大きいじゃない!冗談?というのが第一印象でした。場所が仙台でしたので、プレート型かと思っていますと、断層とのニュース。現段階ではプレート型で落ち着いているようですが、メディアも混乱していたようです。

津波、斜面災害、液状化などの自然災害はもちろんのこと、原発の冷却水制御不能、備蓄基地や住宅地の火災、交通網の麻痺など、考え得る全ての被害が起こっています。
阪神と大きく異なるのは、津波。これは酷い。それとネット。情報交換(個人レベルのtwitterやブログ、各種掲示板)、情報公開(HP、Live配信、Google Crisis Response)などでしょうか?

会社でも災害対策会議が明日行われます。微力ながら何かできることがあれば良いのですが。

2011年3月10日木曜日

最先端の数値解析

地盤工学会誌3月号が届きました。

「最先端の数値解析」といった興味を引く内容で、すぐに開けてみました。
まず目を引いたのが、冒頭の若井准教授の「無理して”結果”をあわせないこと」。思わずドキッとして呼んでいくと、なんとなく感じていたことが明確になりました。最後の「3.完全に合わなくて良い」が個人的に好きですね。甘く感じる章題に反し、「測に合う予測結果が得られる組み合わせが”全く”ないのかどうかが、個々の数値解析法の良否を判断する上で重要な材料となりうる。」と非常に厳しい正論を掲げられています。つい、契約金額と時間のバランスに逃げてしまいがちですが・・・反省ですね。

あとは同じ群馬大の「マルチコアに対応する浸透流解析・・・・」ですね。今日、偶然ですがソフト会社さん2社より電話をもらい、並列化やGPUコーディングの話をしたところでした。業界ではプチブームなのでしょうか。過去の資産を生かすには越えないといけない壁でしょうから、どの会社も取り組むべき課題なのでしょう。64bit対応と共に。
ちなみに、このMKL、手元にあるんですが並列化の内容を全く見ていませんでした。今後何かの役に立つかもしれません。明日、確認してみましょう。

2011年3月6日日曜日

領域分割による並列化

ダイヤコンサルタントさんのHPを見ますと、並列化したDtransuにより600万要素の浸透流解析の実績があるとのこと。ただ、移流分散については書かれていませんね。
http://www.diaconsult.co.jp/leaflets/pdf/dia_k_3Dshintou2.pdf

こちらに記載のあるように、HEC-MWの利用で実現しているのでしょう。
http://www.ssken.gr.jp/MAINSITE/download/newsletter/2009/20090903-sci-1/lecture-5/ppt.pdf
やはり、領域分割ですね。

前にも書きましたが、領域分割による並列化は樫山先生がお得意の分野です。収束計算ではここがメインにならざるを得ないのでしょう。

HEC-MWはフリーですので、環境としては整っているわけですが、そちらに移植するかどうかというと迷います。どちらかというと、Fortranのまま、領域分割のアルゴを追加し、GPU対応コンパイラーでビルドするという方針のほうが、将来性があるように思えます。同時にOpenMP対応版もできそうですからね。ま、どちらにしても、プログラマーが必要でしょう。

海外だと、すでに並列化済みのものが公開、あるいは販売されているかもしれません。飽和、差分ではVisual MODFLOW (MT3DMS)が並列化済みのようですので、不飽和帯との分割計算も手かもしれません。
http://www.swstechnology.com/groundwater-technical-support/software-faqs-prod?ProdID=29

探してみましょうか。

2011年3月5日土曜日

1次元移流分散・熱拡散方程式の理論解

一次元移流分散方程式の理論解は、多くのテキストで取り上げられています。
境界条件が同じ場合でも、テキスト間で微妙に解の異なっている場合があり、導出の記載された文献をさがそうかと思っていました。昨日、Soil Physics with HYDRUSを読んでいますと、その導出が書かれていました。

非常に丁寧に書かれています。(ページはあちこち飛びますが。)
大きくは①PDEをラプラス変換で時間項を消去したODEに変換し、②ODEに境界条件を入れて方程式を解き、③逆ラプラス変換して時間項を含んだ解を示すといった流れになります。
移流分散では上流側:フラックス固定(コーシー条件)、下流側:濃度勾配0(ノイマン条件)、熱拡散では上流側:温度固定(ディリクレ条件)、下流側:温度勾配0(ノイマン条件)の場合が示されていました。
数式の中身さえ理解しておけば、そこからパルス注入、遅延(線形吸着のみ)、遅延+減衰といった条件への展開も容易にできるでしょう。多様な条件を網羅することはできませんが、解き方さえ分かれば導出や検証は可能になります。

理論解はEXCELで計算できるため、濁りや汚染の基準超過範囲を概略で掴む際に簡単に利用できます。いくつかのサイトでデータをUPしているところがありますが、境界条件が多様なため、その適用性についてはよく検証しておく必要がありそうです。


2011年3月3日木曜日

ボスポラス海峡横断鉄道トンネル貫通

ボスポラス海峡横断鉄道トンネルが貫通しました。
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2011/1294369103285.html

尊敬する技術者の一人が現地に赴任されており、個人的に関心の高い事業です。

今後、無事故・無災害で完成することを祈ります。

2011年3月1日火曜日

3次元可視化

汎用の3次元可視化ソフトは、現在、数多く販売されています。

会社では部署毎に購入してきたため、以下のような可視化ソフトがあります。
・MVS http://www.ctech.com/?page=mvs
・AVS http://kgt.cybernet.co.jp/article/2598/index.html
・Voxler http://www.goldensoftware.com/products/voxler/voxler.shtml
・Tecplot http://www.tecplot.com/Solutions/Products/Tecplot360.aspx

私が最近よく使用しているのはTecplotです。64bit版では、数GBの巨大TXTデータでも読み込んでしまえばサクサク動いています。バイナリで保存しておけば、後はストレスありません。Dtransuの結果の可視化(チェック)に頻繁に利用しています。
最近は、3次元地質モデルの地層面作成時にはSurfer、結果の可視化は計算ソフトのpost機能を利用といったユーザーが増えてきたように思います。MVSやVoxlerなどのモジュール型のソフトは使いにくい面もありますから、新たなユーザーが増えていないのでしょう。

先日、MicroAVSのVer.UP案内が届いていました。コチラは演算も作画もマルチスレッドに対応したようです。http://kgt.cybernet.co.jp/article/2617/index.html
このソフトは非常に使いやすく、機能も他のソフト同様に備えており、しかも安いということで、お勧めです。ファイル作成支援ツールも強力です。
最新版、欲しいですね。