2011年3月5日土曜日

1次元移流分散・熱拡散方程式の理論解

一次元移流分散方程式の理論解は、多くのテキストで取り上げられています。
境界条件が同じ場合でも、テキスト間で微妙に解の異なっている場合があり、導出の記載された文献をさがそうかと思っていました。昨日、Soil Physics with HYDRUSを読んでいますと、その導出が書かれていました。

非常に丁寧に書かれています。(ページはあちこち飛びますが。)
大きくは①PDEをラプラス変換で時間項を消去したODEに変換し、②ODEに境界条件を入れて方程式を解き、③逆ラプラス変換して時間項を含んだ解を示すといった流れになります。
移流分散では上流側:フラックス固定(コーシー条件)、下流側:濃度勾配0(ノイマン条件)、熱拡散では上流側:温度固定(ディリクレ条件)、下流側:温度勾配0(ノイマン条件)の場合が示されていました。
数式の中身さえ理解しておけば、そこからパルス注入、遅延(線形吸着のみ)、遅延+減衰といった条件への展開も容易にできるでしょう。多様な条件を網羅することはできませんが、解き方さえ分かれば導出や検証は可能になります。

理論解はEXCELで計算できるため、濁りや汚染の基準超過範囲を概略で掴む際に簡単に利用できます。いくつかのサイトでデータをUPしているところがありますが、境界条件が多様なため、その適用性についてはよく検証しておく必要がありそうです。


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