2014年12月10日水曜日

締め固めた土の強度

「締め固めた砂質土の強度を設定するには、どのようにすれば良いの?」
設計者からの質問です。

砂質土(=排水材料)として評価するのであれば、通常の3軸CD試験の実施が多いのではないでしょうか?
その場合、最大乾燥密度の90%で最適含水比付近、もしくはその高含水比側の強度を調べなさい!といわれても、不可となります。三軸で水を回した時点で含水比が変わり一定値となります。最大乾燥密度の90%で規定すれば、供試体作成時の含水比にかかわらず、同じ結果に落ち着くはずです(あくまで理屈では)。

では、なぜ強度試験用の供試体作成時に含水比を指定する基準があるのか?
おそらく、粘性土(=非排水材料)を念頭に置いているのでしょう。
粘性土の場合、締め固めた土の湿潤側で、一軸圧縮強度(非排水強度)が小さくなります。降雨時を考慮した場合、強度低下の恐れがあるため、設計上は安全側の湿潤側の強度が欲しいところなのでしょう。地盤工学会「土の締固め」p13の図2.4.4が分かりやすいと思います(透水係数は逆ですね)。

実務的には、その土や現場が有する特性(排水・非排水、せん断速度など)、適用する計算式によって、割り切って試験を選定すべきなのでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿