2020年10月9日金曜日

geochemical modeling と地下水の流路

Isotope hydrology and hydrogeochemical modeling of Troodos Fractured Aquifer, Cyprus: the development of hydrogeological descriptions of observed water types
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0883292720302729

安定同位体と geochemical modeling を組み合わせ、 地下水の涵養源と流路(水質の進化経路)について推察された報告です。

geochemical modeling は PHREEQC を利用。地下水の起源、流路、岩石との反応プロセスを示されています。他の複雑な帯水層システムにも適用可能とされていますが、ま、妥当でしょう。
浸透流計算を外しているため、PHAST よりお手軽です。この程度なら国内でも稀に受け入れてもらえるかもしれません。

残念ながら、国内にはこのような手法を扱う研究者がほとんどいらっしゃいません。研究者のお墨付きがなかったり、基準を作成してもらえないと、なかなかお客様も首を縦に振っていただけません。
そのためか技術者側もフレームワーク自体を理解しようとせず、「水質を調べて区分しました」「地下水年代を調べて区分しました」「〇%づつ混じっている可能性があります」程度で終わっているケースをよく見ます(こちらも残念です)。ま、利益に直結するルートが開拓されていないにもかかわらず、それに時間と頭を使うのはビジネスにとって省くべき無駄というのも理解できます。海外では図書レベルなのですが。

PHREEQC にハマってから10年以上が過ぎました。次の10年も同じようなものなのかもしれません。どこかに生かせる職業はないでしょうか?


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