2020年10月18日日曜日

環境同位体の利用方法

とある大学の書店に立ち寄りました。

理学部のないキャンパスなのか、地質系の図書はありませんでした。が、環境系のコーナーに以下の図書を見つけました(こういった配置、時々あります)。

山中勤「環境同位体による水循環トレーシング」

δ18O などの利用法は、文献からの知識や経験的に身に着けたように思い返されます。ですので、この図書の5章「地下水・湧水・温泉」の区分は系統的とまでは言えないものの、頭の整理に役立ちました。 

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1.涵養標高の推定:降水のδ値は標高が高くなるほど低くなる

2.流動系区分:δ値の高低で平面的な流動系区分

3.混合割合評価:
涵養源の寄与率評価:δダイアグラム上で河川水・降水・田面水などの混在割合を区分、GIS上でプロット
温泉水:
δダイアグラム上で温泉水・天水(近隣の地下水や河川水)・非天水などの混在割合を区分

4.地下水流動モデルとの融合:
直接利用:δ2H, δ18O をトレーサーとして使用
間接利用:Particle Tracking から算出した河川水寄与率を、安定同位体やイオンの混合計算結果と比較

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特に浸透流モデルのブラッシュアップにて、移流分散と粒子追跡の利用を同じくくりにできるか考えようとしたことがありませんでした(頭が固い)。
確かに、このような説明は国内で見ません。聞けば地下水のプロ?でも知らない方がいらっしゃるようです。土木分野で普及していないだけかもしれませんが。

他にも、経験的に知っていたことが明文化されており、あらためて知識として習得できたように思える個所がありました。新たな図書として、手元に置いておきましょう。


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