地団研の「粘土鉱物と変質作用」を紛失。
買い直そうと思いネットで確認してみると、他にも面白そうな本がありました。
その中の一つ「ジオロジストの岩石磁気学」。少し古い図書ですが、今まで勉強したことのない分野ですので入門には良いかも、と思い購入。
早速読んでみました。
が、言葉が一度で頭に入りません。TRM とか CRM とか、なんだっけ?と何度も前に戻ります。で、整理してみました。
・NRM (Natural Remanent Magnetization) 自然残留磁化: = Primary + Secondry
Primary
・TRM (Thermal Remanent Magnetization) 熱残留磁化
:キュリー温度以下にて冷却時に獲得する残留磁化。PTRMの合計。
・PTRM (Partial Thermal Remanent Magnetization) 部分熱残留磁化
:冷却温度のある範囲で獲得する残留磁化。
・PRM (Pressure Remanent Magnetization) 圧力残留磁化
・SRM (Shock Remanent Magnetization) 衝撃残留磁化
・CRM (Chemical Remanent Magnetization) 化学残留磁化
:熱水変質、化学的風化、続成作用など。
・DRM (Detrital Remanent Magnetization) 堆積残留磁化
・PDRAM (Post-Depositional Remanent Magnetization) 後堆積残留磁化
:堆積後、一定時間たった後獲得した残留磁化。圧密など。
Secondry
・VRM (Viscous Remanent Magnetization) 粘性残留磁化
:ハンマーなど鉄製品での2次磁化←消磁
・CRM
その他
・ARM (Anhysteretic Remanent Magnetization) 非履歴残留磁化
:地球磁場程度の外部磁場化で交流磁場をかけて得た残留磁化。
非常に安定でTRMに近い。
一度整理してみますと、頭に入ってきました。
案外、繊細な話なのですね。数万年も残っている磁気なのである程度安定なのかと思っていましたが、やはり気を付けないといけないことは多いのでしょう。
後輩君が、海底地すべりに関し帯磁率異方性を使った研究の詳細を教えてくれました。学生時代に一時携わっていたようです。
・AMS (Anisotropy of Magnetic Susceptibility) 帯磁率異方性
帯磁率異方性を測定すると、すべり面付近で軸が揃うとのこと。文献も読みましたが、粒子配列を分析するのと同義のようです。文献ではAMS結果と対比させるためにSEM画像で粒子配列が示されていたのですが、どのようにして切断時に乱さずにコアからサンプリングしているのか不思議でした。後輩君に聞いたところ、樹脂で固めれば良いそうです。案外、簡単ですね。
そういえば、15年くらい前に XRD で配向度を測定してほしいと研究部署に依頼しましたが、「切断時に乱れるので無理。」と言われたことを思い出しました。文献では配向度を測定していたのでできるはずだったのですが、知識・経験がなかったようです。文献では同じように樹脂で固めていたのかもしれません。
AMSの測定器は買えません。まずは手ごろな帯磁率計で測定できる帯磁率から学びましょう。
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