2017年3月7日火曜日

堰堤が受ける力(DualSPHysics Ver.4.0)

砂防えん堤のCADデータ取り込みは問題なし。

えん堤上流側に圧力の観測点を鉛直方向に8つ配置。
それとは別に、鉛直壁面を別途作成し、そこにかかる力の合計を得ることにしました。
ポイントの座標を記載したファイルを用意し、バッチファイルを編集して、計算!

流速と流体力に関しては問題なく抜き出せました。
観測点での圧力は、XYZ成分への分け方がわかりませんでした。forum を見る限り、方向(プラスマイナス)を加味して抜けるようですが、説明書には書かれていません。

えん堤にかかる流体力の合計は以下の通り。


Z方向がマイナスなのは、土砂が流下して下向きの力がかかっているからでしょうか?観測点から抜いた流速のz成分は全てプラス方向なので矛盾しているように見えます。
流速がマイナス方向なのは、X成分のみでしたが、力の合計はX成分がプラス。Y成分は両方プラス。観測点が少ないのが原因でしょうか?よくわかりません。


観測点にかかる圧力です。おおきな値です(入力単位を間違えたかな?と確認しましたが、あっていました)。
最初、堰堤にぶつかり圧力が上昇し、越流しながらやや降下しているように見えます。
一番下の観測点はほぼ0。これは、地表に近すぎたのが原因です。地表からも1.5h 離さないダメでした。2つ目も、影響を受けているようです。
最初、マイナス値は引張り方向かと思いましたが、よく考えてみると軸の負の方向をあらわしているだけでしょう。←これは違うようです。

そもそも、内部の応力なんて取り扱っていないと思われます。あくまで得られるのは、堰堤にとって外力(静水圧、流体力、衝撃力)のみです。堰堤内部の応力を見たいのであれば、別途、弾塑性を扱えるソフトで、この結果を時刻歴として入力し、計算するしかないでしょう(ここまで来てようやく気が付きました)。それには、この部分だけ解像度を上げて計算したいですが、粒子間隔は部分的に変更できません。部分的に切り出して粒子間隔を小さくして計算するにしても、境界条件が対応できません。あくまで流体の挙動を見るソフトですので、この辺は適用外と考えましょう。

深層崩壊を題材にし、そのモデル化と力・圧力・流速を抜く、といった一通りの手順を確認しました。残念ながら、圧力等の解釈、特にプラス・マイナスについて、まだ理解ができていません(ポスト処理に関するツールにも、解説を付けて欲しいところです)。
dynamic boundary 特有の性質も理解を妨げている一因でしょう。この辺は次期リリースで新しい境界条件を導入するとアナウンスが出ていますので、もう少し簡単になればありがたいです。

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20170308追記

流速と圧力について、2次元モデルでチェックしてみました。

導水管を配置し、管の中で上昇流しか起こらない個所を作成。ついでに、噴水のように噴出した水流が池の中に落ちてたまる箇所を作成。その2箇所に観測点を配置し、水圧と流速をはかりました。

まずは管内の上昇流。これは2次元ですので流速のY成分は0。X方向もほぼ0。Z方向はプラス。OKです。圧力はZ方向で波打つように変化し、時々マイナスになっていました。水中でマイナスになる理由が分かりません。壁が近すぎるのでしょうか?

たまった水の中に落ちてくる方は、流速のZ成分がマイナス。これはOKです。
一方、圧力はプラス。これは水圧がかかっていますのでプラスで問題ないでしょう。観測点に関しては、流れの方向は関係ないと思われます。



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