2017年3月4日土曜日

Dam Break (DualSPHysics Ver.4.0) その2

圧力の抜き出し方に関しては、説明書に記載されていました。

面白いことに、壁面での計測はダメで、スムージング長の1.5倍の位置で計測するのがお奨めとのこと。dynamic boundaryを使っているから、という理由らしいのですが、これ、理解していませんでした。

あらためて説明書の dynamic boundary の箇所を読み直すと、以下のように書かれています。
When a fluid particle approaches a boundary and the distance between its particles and the fluid particle becomes smaller than twice the smoothing length (h), the density of the affected boundary particles increases, resulting in a pressure increase. In turn this results in a repulsive force being exerted on the fluid particle due to the pressure term in the momentum equation.
壁面からスムージング長の2倍以内に流体粒子が入ってくると、壁面の(粒子?)密度を増加させ反発力をもって対抗する、壁面位置では応力が±0となり、壁面粒子の位置は動かない、という造りのようです。そうすると、壁面での圧力の抜き出しを避けなければならないというのは納得です。
等値面を表示させた際に、壁面近傍で液面が窪んだ形状になるのが気になっていたのですが、これもこの境界条件によるものなのでしょう(FAQにギャップの話が出ていますが、この現象のことかと思われます)。

検算してみますと、サンプルファイルのスムージング長hは
h=cofh√3×dp
 =1×√3×0.085
 ≒0.01472

壁が x=0.9 の位置でセットされていますので、
0.9-1.5×0.01472=0.87792

X=0.8779 の位置に観測点を置けば OK ということです。あっていますね。

結果も説明書通りに抜き出せました。kgで入力しているのに、Paで書き出されるのは、書き出し時に変換しているのでしょうか?入力単位が分かりにくいですね、このソフト。

input ファイル内で、壁面のみ別の marker value  (mk 番号)を持たせて作っておけば、その値を指定するだけで壁面にかかる力を合計してcsv にしてくれます(1.5hを考慮してくれているのでしょうか?)正しく抜けているとすれば、上記の機能とあわせ、実務で大いに使えると思います。


とりあえず、粘性の入れ方による安定性の違い、圧力の抜き出し方法については理解できたように思います。



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