2017年1月17日火曜日

淡水性と海成粘土

海成層かどうかの判別には、経験的に以下のものが使われているようです。

・貝殻片、ウニの針、有孔虫、珪藻等
・黄鉄鉱や石膏などの硫化鉱物
・電気伝導度やpHなどの化学特性
・CNSの比や含有量

先日、有孔虫かな?と思って生物のプロに写真を送ったところ、正解でした。海~汽水性の種だったようです。これも一つの指標になり得ますが、残念なことに私にはそれらを判別する能力がありません。学びたい!

黄鉄鉱については、淡水性の指標と言われる藍鉄鉱とも共生します。後で海水が浸透したのか?と思いましたが、このような現象について詳細について調べられた文献は見当たりませんでした。見つけたものは「海水の浸透の影響があったのだろう」とか、「今後の検討に委ねたい」とかで終わっています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssj1972/35/35/35_35_77/_pdf

そもそも、津波の影響で土壌や地下水の塩水化が問題になっている場所があるにもかかわらず、数百年~数千年も海の下に位置して、その影響を受けない方が不思議です。
硫化物については、ある程度の量が得られて初めて海成と判断するべきなのでしょう。


これも先日、新たな判別要因の1つとして、XRF を使ってみました。これだと、直接的にSやClの含有量を得られます。乾燥させて測るだけですので、お手軽です。

結果、S 含有率は海成で高く、淡水性で低くなりました。Cl も同様でした。
当たり前の結果なのですが、なんだか釈然としません。海水浸透の影響はあまり出ていない、堆積環境がよく保存されている、と解釈すべきなのでしょうが、うーん。
こうなると、生物学的アプローチの方が明快で有利ですね。

簡単なようで難しい。このような基礎的事項でも、まだまだ学ぶべき箇所は多く残っているようです。

4 件のコメント:

  1. 海成か非海成か、両者が混雑(例えば汽水域)するような環境ではどんな指標でも混ざりあうのは仕方がありませんね。局地的な地層であれば、慣れてくると色調の違いで区別もできるようになります。有孔虫や珪藻の同定も、顕微鏡と写真を見続ければ、そんなに難しくはないですよ。

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    1. そうなのですね!
      もしよければ、有孔虫や珪藻の同定に利用されているカタログ・写真集等を御教示いただけませんか?

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  2. 有孔虫なら「FORAMINIFERAL GENERA AND CLASSIFICATION」でしょうか。同定していただいたのは、同じ会社の人ではないんでしょうか。聞いてみるのが早いかも。珪藻は、結構良いサイトがありますよ。

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    1. かなり分厚い図書ですね。私には荷が重そうです。
      御紹介ありがとうございました。

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