PS検層の問い合わせが増えてきました。
どちらも一長一短ですが、現場条件によって一方を選択せざるを得ない状況が出てきますね。個人的な感覚も多く含んでいますが、以下に整理しました(出張先のホテルで書いていますので、誤りがあるかもしれません)。物理探査の本を見れば、測定法や理論などはもっと正確に書かれていると思います。
測定法
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ダウンホール法
(板叩き法)
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サスペンション法
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測定概要
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地上で発信。受振器を測定深度に降ろし、地上から測定深度までの波の到達時間を測定。横軸に時間、縦軸に深度をとって、勾配(速度)変化を図化・読み取る。そのため、いくつかの深度より区間の平均的な速度として決定することが多い。
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発振器と2つの受振器が内蔵されているゾンデを測定深度に降ろし、原位置で速度を測る。測定毎に速度が算出されるので、一般的にダウンホールに比べ、解像度は上がる。ただし、解析時には平均化して利用することが多い。
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地表条件
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海上など、地上で発振できない場合は適用不可。
既設構造物、埋設管なども注意が必要。 |
制約なし。
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深度
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深いと波が届かない。(個人的には30m程度?地盤による。)
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制約なし。
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測定ピッチ
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制約なし。1mピッチが多い。
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保孔管
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ケーシング可(ただし、経験が必要)。
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ケーシング不可。VU50場合により可(継手外径67mm)。
ケーシングを抜くと、孔壁が押し出し、VU管に土砂が密着する。そのため、測定値には地盤の乱れが含まれる場合がある(逆に、土砂が密着しないと測れません)。 |
受振器
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φ40mm(エアー等で孔壁に密着させる)
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φ52㎜
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必要孔径
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φ66㎜
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φ86㎜
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地下水
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地下水がなくても測定可。
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地下水以下に限定。
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余掘り
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不要。
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ゾンデが大きいため、最低4m以上(通常5m)の余掘りが必要。
(岩盤5m間のデータが欲しければ、岩盤を10m掘削する。)
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孔径は使用するゾンデにもよると思います。通常はサンプリングも同時に実施するため、φ116mmになる場合が多いでしょうか?
いい加減、ゾンデ直さないといけないですね。
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20140830追記
発振波の卓越振動数も異なるようです。
http://phreeqc.blogspot.jp/2014/08/ps.html
20151013追記
こちらの会社が経験的にまとめられていらっしゃいます。PSのサスペンションでは、「ネトロンパイプが望ましい」となっています。
http://www2.odn.ne.jp/mony-geo/PDF/Geologging-adpt.pdf
20151016追記
塩ビ管のVsが300m/s程度。工学基盤を知りたい場合には、ちょうど知りたいところの波が重なるようです。
サスペンション法のvu50ですが,内径が51mmなのですがゾンデが入るのでしょうか?
返信削除内径51㎜はVPです。
返信削除VUは厚みが薄く56㎜です。
基本的にはケーシングを抜きながら裸孔でのデータ取得がBESTです。