2014年6月15日日曜日

Calcite の溶解と pH

Calciteの溶解計算をしてみました。

Calcite が溶解し pH が上昇する過程を、PHREEQC の1次元移流-反応計算で再現、今後の水質を予測をします。
以前、研究職から途中経過をもらっていたのですが、手を付けていませんでした。地質屋さんにとってはメジャーな問題で、過去にも似たようなケースを何度か実施しています。
http://phreeqc.blogspot.jp/2010/12/calciteh.html

手元にある水質データの中で計算に使えるものは、Ca イオンの濃度と pH の2種のみ。測定箇所は、流入、流末、その中間付近の3箇所。計算では流入を Solution 0 とし、他の2箇所を再現します。

研究職からもらった input ファイルですが、なぜか計算が遅い。何か問題があるのは分かるのですが、それが何かイマイチつかめず。その後、もっと簡単な逆計算モデルで試してもらいましたが、成分が少なすぎてそれもダメ。多分、イオンバランスが無茶苦茶(percent error が90以上!)なので、陰イオンを入れてバランスを取る必要があったのでしょう。いつも思うのですが、メジャーイオン、溶存酸素、酸化還元電位くらいはデータが欲しいところですね。ま、なくても合わせることはできるのですが、その分、推定が多くなります。

仕方ないので、順解析としてバッチ試験をモデル化し、CO2 の分圧と Calcite の飽和度を変化させ、感度を見ながらあたりを付けることにしました( alkalinityで percent error を改善しました)。他の計算でもそうですが、pH と分圧( open or closed )の関係は結構重要です。案外、鉱物の影響しか気にしない地質屋さんが多いようですが、これでは調査計画が不備になります。

で、その結果を advection に持っていき、本番!
いきなりですが、今回はそこそこ良い結果が出ました。あとは分圧と Calcite の比表面積をパラメーターとした微調整で終わりです。

今後、予測に入るのですが、これ、もう少し簡易なモデルにしないとダメでしょうね。今回は流入から流出までの1時間程度を再現しただけですが、これを数年間といったオーダーで計算する必要がありますので。
もう少し考えないといけません。


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