今月の地盤工学会誌の講座で、筑紫平野の堆積環境の話が出ていました。
「地球温暖化がもたらす地盤の環境変化と災害 5.海面変動が地盤環境に及ぼす影響と評価」
久しぶりに CNS を利用した報告が出てきたなあ、と思い読みだしたのですが、残念なことに深い議論や新知見はありませんでした。ま、講座ですからね。
それでも、ヒ素の起源について書かれた箇所には、興味が惹かれました。非海成層中の地下水から検出されたヒ素は、 Pyrite の溶解による可能性があるという記載です(Pyrite は海成層ですが)。その詳細や根拠は書かれていなかったのですが、同地区での過去の文献によるとのこと。
Pyrite の微量成分としてヒ素が入る場合、kinetic で計算にのります。移流分散+化学反応といった計算手法は確立していますし、その事例が身近にあるのであれば、今後、いろいろ展開できそうです。
早速、引用文献を読んでみました。
島田 允堯「ヒ素に汚染された地下水の起源と問題点 」資源地質, 53, p161-172, 2003
こちらは良かったですね。
きちんとヒ素の含有形態を区分しています。10年以上前の文献ですので、区分自体は目新しいものではありません。が、Pyrite 中のAs の含有を EPMA で証明しています。これが良いですね。EPMA は学生のころに1度だけ触ったきりで、詳しくありません。しかも、そのときは岩石を薄片にして、ある位置の組成だけを求めていました。文献のようなカラーマップは得られませんでしたね。このマッピングはいろいろな文献でよく見かけますが、良いですよね。モデルコンセプトを作る上で、重要なツールになります。
EPMA、欲しいですね。無理かな。
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