2011年9月7日水曜日

濁水の地下水への影響調査

濁水の影響調査の報告が公開されています。全地連ですね。
http://www.web-gis.jp/e-Forum/2011/029.PDF

内容が理論的でないため、発表された意図は分かりません。地下水の濁度の問題で室内試験から試験施工まで行った例はレアなので、そちらのアピールということでしょうか。

河床掘削や浚渫などの濁水影響評価は計算方法が基準書にも載っていますが、地下水への影響評価手法は載っていません。基本的には移流分散で遅延と減衰(濁水の場合はフィルター効果)を加味して解くのがセオリーです。1次元である必要はなく、また理論解を結果に合うように補正する必要もありません。この報告では答えが合わず苦労されたのだと思います。研究者ならOUTですが。

理論解が使えないのであれば、実務的にはここまで捻らない方が良いと思います。カラム試験の結果より、発生源から4.6m離れると濃度は1/1000になるということで、発生原単位(濁度)を現地で確認するといったような方針の方が簡単ですね。

こういった問題が懸念される場合には、室内試験、現地試験を行って、調査報告書をまとめる必要があります。理論を知らないと調査計画も立てられません。つい先日も現場試験まで提案しましたが、全部やりきると非常に大きな金額になります。

それに対し責任が取れるよう、日々の研鑚が重要ということなのでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿