N値0~4程度の柔らかい粘性土に対して用います。それ以上堅くなるとデニソンサンプラーの出番です。しかし、このツールで乱さずに採取するのは非常に難しいようです。倍圧サンプラーの方が小口径で簡単に採取できますが、水回りの設備が大変ですね。1長1短です。トリプルサンプラーは主に砂質土で用いられますが、これも難儀する場面をよく見ます。細粒分が少ない海砂などでは落下する場合もあります。
これらのサンプリングツールに共通するのは、品質がボーリング屋さんの腕に懸かっているということ。デニソンやトリプルはもちろん、シンウォールでも腕の差が出ます。同じように、同じ深さだけ押しこんでいるように見えますが、違うようです。それはオペさんが見てもわからないノウハウ、差のようですね。同じ海成粘土をサンプリングしても、1軸+簡易CUで乱れ具合を判定すれば、腕の差が明瞭に出ます。
また、腕の良いオペさんは通常のφ66コアを驚くほど乱さずに上げてくれます。泡よりもきれいに採れていますし、そのように自負されています。
粘性土を主体とする地すべり土塊中の礫が、まったく乱れずに切れているのを何度も見たことがあります。岩着部も土砂との境界をまったく乱さずに上げてくれます。さらに、破砕帯までその両側の健岩部ともども、まったく乱さずに上げてくれます。これには度肝を抜かれました。使用されているツールや材料も自分達で改造・工夫されていますし、常に水圧を細かく管理されています。それで日進5~7mでしたから、まさしくプロです。尊敬します。当社のサラリーマンオペにも見習ってもらいたいところです。
市販ツールも良くなっています。アイジイの横穴付きビットは格段にコアの品質を上げてくれます。オペさんは謙遜して「腕ではなく道具が良くなった」と言われますが、道具の進化に付いて行く努力、腕やノウハウも必要なのでしょう。マイカイのGWSビットも同じような機構ですが、こちらは腕が要りそうですね。
http://www.kmaikai.co.jp/gws1.htm
トリプルやデニソンでは、メタルビットを改造したり、泥水やホレール、マッドチューブの使用で採取率が向上するようです。試行錯誤をしながらの経験が重要な世界なのでしょう。
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