2011年6月19日日曜日

地山強度比

地山強度比の設定には一軸圧縮強度が必要です。

一軸圧縮強度を得るには10cm程度の棒状コアが必要です。そうすると、(CL~)CM級以上のコアが必要になります。そのため、風化土やCL級の岩盤では地山強度比を得られないことになります。

しかし、実務上は地山のVpなどで補正?して風化土まで算出しているのをよく見かけます。Vpでの補正は本来、亀裂の影響を反映(準岩盤強度を算出)するところにあるのですが、無理やり使われていますね。補正時に天端から1.5Dの位置のVpを使用しているケースもあります。地山等級を判断する際には1.5Dまで考慮する必要がありますが、準岩盤強度の算出ではサンプリング位置と、同じ強度、コアのVpとみなせる地質帯の天端(側壁)までではないでしょうか?
また、一軸と同じサンプルで実施した単体試験値×土被りを使って土被り圧を算出している例も多いですね。1.5Dと同じように「安全側」を考えられてのことでしょうが、本来は表層と深部で単体は異なっています。

トンネル屋さんの多くは上記まで考慮しません。地山分類では断面図の帯に記載された結果を利用されます。地質屋さんも算出した結果をそのまま利用して、地山等級を決めている場合が多々見受けられます。

地山強度比の意味を理解するとともに、どこで試験をして、どこの値を流用した値なのか、使用する際にはチェックが必要です。

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