2011年6月2日木曜日

石と土の色

今日は、大阪大学 中嶋教授の色の話を聞きました。

昔、地球色変化(「へんげ」だそうです)も興味深く読みましたし、深田研から公開されている資料や、論文も読んでいました。ミノルタの色彩色差計で、論文と条件を合わせてコアの色を計ったりもしていたのですが、定量分析ができないため、いつの間にか使わなくなっていました。
色の測定は XRD で検出できないような微量の鉱物を定性的に推定できる利点があります。私は花崗閃緑岩の強度の落ちる変質の原因を、XRD で解決できなかったため、色から推定したことがあります。他にも実務での利用法はあるでしょう。
久しぶりに聞くと、「ああ、そういう手法があったなあ」という懐かしい思いと、「まだ定量分析は困難なんだなあ」という残念な思いが交錯しました。ferrihydrite を近赤外などで定量できれば、かなり使えるツールになるのですが。

もともと、地層処分の問題を解決するために色の利用を思いつかれたそうですが、その関連で放射性物質の移流分散も研究されているようです。色のイメージが強い先生だったので、簡易反応を取り入れた1次元の移流分散方程式と理論解の載ったスライドを見たときには驚きました。
聴講していた学生さんもパラメーター取得について研究しているそうです。ただ、比表面積 A や反応定数 k についてはまだまだ研究の段階らしく、明快な設定法は無いようでした。
複雑な心境ですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿