2014年4月13日日曜日

UDEC

UDEC の input ファイルを読んでいました。

ステップ毎に TXT ファイルになっています。理解するには、これを読むのが一番早いと思います。

部分的に FISH を使用して書かれていましたが、マニュアルに説明が開かれていましたので、何とか最後まで読めました。慣れてくれば、TXT ファイルを変更して行く方が早いですからね、一石二鳥です。

マニュアルを読んでいると、透水係数に似た数値を入力するコマンドもありました。浸透流の通過対象がジョイントのみ。さすがに DEM ベースです。どのように計算しているのか興味がありますね。
また、SSRM も実装されているようですし、他の Itasca のソフトとも連携できるようです。高機能です。

ま、まずは慣れましょう。



2014年4月12日土曜日

個別要素法

Itasca 社の UDEC を使用することになり、あわてて個別要素法の基礎を頭に叩き込んでいます。
http://www.itascacg.com/software/udec

いままで触っていたのは、微小変形を扱った連続体ベースの数値計算です。粒子法も連続体ベースですね。

今回は不連続体。この解法の基礎知識がかけているので、まず教科書を読むことに。
読んだのは伯野元彦「破壊のシミュレーション-拡張個別要素法で破壊を追う-」です。1997年ですから17年前の本。日本ではあまり流行っていないのか、日本語の図書は非常に少ないようです。
読んでみると以外に簡単でした。これ、今までで一番簡単な解法ではないでしょうか?(まだ一か所だけ数式で引っかかっていますが)

個別要素法( DEM : Distinct Element Method )や DDA( Discontinuous Deformation Analysis )を総称して離散要素法( DEM : Discrete Element Method )と呼ぶようです。今まで、DEM の正式名が2つあることに「どう使い分けるの?」と思っていたら、こういうことでした。DDA は昔、後輩が使っていましたね。名前だけは覚えています。DDA が要素内をFEMで計算しているのに対し、UDEC は差分です。どちらもハイブリッドには変わりません。
また、個別要素法を開発したCundall さんは、Itasca 社に在籍されているようです。UDECもこの方が開発されたのでしょうか?

個別要素法は、運動方程式をベースに、ブロックの速度を前進的に解いているといった比較的軽そうな解法ですが、要素の接触判定に時間がとられ、全体としてはかなり重くなりそうです(まだ動かしていませんので本を読んだ感覚ですが)。製品が採用しているアルゴリズム次第で、解くスピードが大きく変わってきそうですね。
また、要素間のバネを複数持たせることにより、水圧も表現できるようです。これは拡張個別要素法(EDEM : Extended Distinct Element Method )の説明の中にありました。バネとして水の体積弾性係数を使用し、要素間の間隙の変化率と間隙水圧を結び付けています。で、あとはダルシー則に従って流量を計算し、隣接する間隙水圧の差を調整。うまい考え方ですよね。UDECも水圧を表現できるのですが、同じ考え方でしょうか?透水係数を指定するところがなかったので、全く違うのかもしれません。これは後日、調べておきましょう。

ま、案外簡単に理解できてしまったので、とりあえずはソフトに慣れるところを目指しましょう。

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20140507追記

差分法でなぜ非構造メッシュが使用できるのか聞いたところ、解法は差分ではなく、時間だけ差分とのこと。ま、FEMでも時間は差分というのが良くありますからね。納得ですが、もっとマニュアルを読まないといけませんね。

20140510

マニュアルには、差分要素と書いてありますね。アワーグラスを避けるために3角形にしているとも。うーん。分かりません。

ブラザー・シスター制度

今月の日経コンストラクションに、「若手を逃がすな!」という特集が組まれています。

いくつかの会社で実施されている対策?の事例が掲載されていました。その中で、おっ?と思ったのが、ブラザー・シスター制度。以前書いた、メンター制度の日本版のようです。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/05/blog-post_28.html

新入社員に年の近い先輩を組ませ、指導・相談を行う制度のようです。紹介されている会社だけで実施されているのかと思いきや、検索すれば、いろいろな会社で引っかかりました。流行りなんですかね。

ま、技術も仕事も個人主義といった私の勤め先には、残念ながら関係ない話ですね。
十年後、こういった教育を行ってきた会社、人には、頑張ってほしいものです。

2014年4月8日火曜日

epidote と chlorite

新入社員の歓迎会がありました。

部長様がいくつか質問を紙に書いて用意いされていたのですが、その中に鉱物の知識を問うものがありました(その良し悪しは置いておきましょう)。

epidote の生成温度は?
フローライトの生成温度は?

最初の epidote は変成相の話で、圧力条件書かないとだめでしょ!と思っていました。
http://en.wikipedia.org/wiki/Metamorphic_facies
もう一つ、フローライトの生成温度なんて、変成論にはなかったはず。こちらは何が聞きたいのか?と不思議に感じていました。

隣で飲んでいた同期のオペさんが「epidote ってなに?」って聞いてきたのでパッと「輝石!」と答えると、どなたか「違う」と速攻のつっこみ。ええ、違いました。緑簾石。最近 enstataite を調べていたので、そちらが e 始まりのイメージで出てしまいました。ゴメンナサイ。

もう一つ「フローライトってなに?」と聞かれたので、「フローライトは flourite だよ。ほら、あれだよ。机の横に置いているきれいなやつ」っと、全く和名が出てこず。年を感じます。少し間があって、「そう、蛍石!」。
こちらは突っ込みがなかったのですが、周りは連続して何を言っているのか?と思っていたのではないでしょうか。というのも、翌日、フローライトの質問の意図を研究職に聞くと、紙にはフローライトでなく、クローライトと書かれていたようです。そう、クロライト、chlorite、緑泥石。

ああ、紛らわしいと思いつつ、質問の意図に納得。
と思いきや、研究職曰く、「変成ではなく、変質を考えていたのではないか?」
確かに、200~300度と低い温度を正解としていました。
http://www.cssj2.org/seminar1/section16/text.html


しかし、部長様は酔っぱらいながら言われていました。「地下20~30kmで緑色片岩になる」と。
これ、やはり変成論を語っていたと思います。温度・圧力条件ともずれてますが。酔っぱらってごっちゃになっていたんですかね。

ま、epidote を輝石と言うよりはマシですか。

2014年4月3日木曜日

メサとビュート

先日、香川県の屋島に行きました。

昔、一目見たときから変な地形だと気にしつつ、今まで訪れたことはありませんでした

地理院地図3DのHPでも、おすすめの場所として紹介されています。

■その他の地形
┣ メサ
http://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/gallery2/index.html


wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%B5
メサ (mesa) は、差別侵食によって形成されたテーブル状の台地のことで卓状台地と呼ばれている。さらに浸食が進み孤立丘となったものはビュート (butte) と呼ばれる。
南嶺から北嶺を見ると、このような感じです。



地学を始めた頃でしょうか、習いましたね。メサだそうです。英語だとメイサに聞こえます。スペイン語で「テーブル」を意味するのは知りませんでした。
鈴木隆介「建設技術者のための地形図読図入門」では、集団移動地形の章で紹介されています。下部の崖錐斜面に着目して解説されていますが、よくわかりますね。


東を望むと、五剣山があります。ビュートでしょうか?これも近づきたくなる面白い地形です。
讃岐富士はビュートでOK(上記の本でもビュートとして紹介されています)。こちらも地理院から紹介されています。3Dで見ると綺麗ですね。

■その他の地形
┣ ビュート
http://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/gallery2/index.html


屋島の場合(讃岐富士もそうですが)、白亜紀の花崗岩の上に、中新世の安山岩(溶岩?火砕岩?)が載っているようです。以前より香川大の長谷川先生が講演されていることは聞いていましたが、じっくり読んだことはありませんでした。高松市より、詳細な内容が公開されています。
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/file/20736_L87_2-1.pdf

百聞は一見に如かず、一度見ておけば忘れないでしょう。



菱鉄鉱と黄鉄鉱 その2

計算するまでもなく、答えは教科書に載っていました。
redox zoning の例として30年以上前の論文が用いられています。

Robert A. Berner, 1981, A New Geochemical Classification of Sedimentary Environments, Journal of Sedimentary Petrology, Vol. 51, No. 2, 359-365

表層部の open な環境から、地下の anoxic な環境に変化するにつれ、地下水の水質変化や鉱物の安定性がどのように変わるかという義論のようです(教科書を読んだだけで、論文まで追いかけていません)。結論としては、S の量の大小で、析出する鉱物が変わってくるというもの。ま、こういった研究が古くから実施済みでしたので、私が見た資料では「知っていて当然」という前提で書かれていたのかもしれません。

今回は教科書に載っていた例を真似て、海水と淡水の違いを見てみることにしました。計算はphreeqci Ver.3.1。user_graph 搭載版です。EXCEL や PHREEQC for Windows を併用する必要がなくなり、便利になりました。
海水の組成は PHREEQC のできたばかりのフォーラムから、淡水はネットで調べて適当に入力。淡水では酸素等の量が不明だったため、別途 O2 や CO2 を大気圧下で飽和させ(ま、あくまで初期条件は仮想です)、organic carbon を添加していくことで還元環境を作っていきました。余談ですが、どのデータベースも、角閃石や輝石は扱っていないのでしょうか?深くは探していないのですが、見当たりませんでした。そのため、今回、火山灰と一緒に降下した両鉱物や鉄鉱物が Fe の供給源として扱えず、計算ではgoethite を代用しています。

結果はコチラ。ますは淡水。



定性的に見ると、順番に還元されて最後に siderite ができています。S の量が少なすぎて pyrite の生成は無視できる程度です。ほとんど見えません。
goethite の量もいくつか変化させて計算してみましたが、ある程度の鉄の供給量がないと、sideriteができまないことも納得。ま、当たり前ですね。
計算結果より、siderite の析出には鉄の供給があること、S の少ない淡水であること、pe がマイナス側にあることが必要と判断できそうです。

次は海水。


こちらの結論は明らか。Sの量が多すぎて(左の軸の桁が違います)、pyrite が析出しても S を消費できていません。他の挙動は同じようなものですので、海水か淡水かが、棲み分けに一番効いてくるのでしょう。

こうしてみると、両者の差は明瞭です。大枠では、siderite が還元性の淡水性堆積物中で生成するということで、根拠を省略して良いレベルの話だったのでしょう。

汽水だと、条件にもよりますが、S を消費し終わって siderite ができる場合がありそうですね。両者の析出割合で、海水の混入率も計算できそうです(ま、全含有量を量ったほうが早いでしょうけど)。CNS分析 による古環境の判定と並行してチェックという手もありそうですね。








2014年4月2日水曜日

菱鉄鉱と黄鉄鉱

顕微鏡で火山灰を探していると、見慣れない鉱物に出会いました。

淡い褐色の球果状で、まるでブドウ。その場で成長したことは明らかです。
研究職にXRD分析で同定してもらうと、Sideriteでした。少し調べてみましたが、還元性の淡水性堆積物中に生成するのだそうです。が、理論や根拠が詳細に報告されているものがありませんでした。ま、土層は還元性の色を示していますし、感覚的には納得できます。

その直上にはPyrite を含む有機質土が存在しています。余計に、なぜ棲み分けができているのか不思議でもあり、地化の教科書をあさってみました。
まず探したのは、predominance diagram 上でのFeS2 と FeCO3 の関係。これはすぐに見つかりました。温度や濃度の問題もありますが、pe-Eh-pH diagram での安定範囲はどちらも低電位側で被っていますので、析出時は同環境(還元環境)だったということで良いでしょう。そうすると、C、S、Feの量が棲み分けに関係しており、当然、海水か入ってきたか否かが大きな一因だったと推察できます(その程度のpHの差は安定範囲の中です)。それは、Eh-pS2- diagram からも読み取れます。

では、量比を変えて実際に 計算すれば、定性的な答えは出るでしょう。

続きは後日。