2020年5月6日水曜日

複断面での疑問点

1次元河床変動計算の続きです。

今日も丸1日時間があったので、単断面から複断面(一般断面)に変更しました。が、よくわからないところが出てきました。

まず、水位の計算方法。昔の河川砂防技術基準には井田法というのがあったそうです。
一方、この手法よりも断面分割法の粗度係数を検討した方が良い結果につながるという文献も見かけました。
30年以上前の「現場のための水理学」では(工夫前の)断面分割法でしたが、現在の主流はどちらなのでしょう?ま、これは河川屋さんに確認すればすんなり解決できると思われます。

次に、断面内での河床を変動させる量と場所。iRIC のマニュアルを見ましたが、詳細は書かれていません。手元のソースでは水面下の河床を一様に上げたり下げたりしています。平均流速に応じ、一様に上げ下げするのはいかにも1次元的です。が、実際は低いところからたまったり、低い部分が集中して削られたりしています。現形状を一様に上げ下げするような変化は起こりません(出水後にまっ平らになった河道も幾度か目にしました)。
計算上、分割ブロックの各流速に応じ河床を上げ下げするという方法も考えられます。ま、これは断差がつきそうですし、そこまでこだわるなら素直に2次元で解けば良いのでしょう。一様な変化とみなしても支障のない問題だけ1次元で解くべきなのでしょう。

他にも、水面下での粗度係数の合成や径深、潤辺の扱い方など、複断面にしただけで多くの疑問点が出てきました。これからも、進むたびに出てくるのでしょう。

ひとまず、ここまで。Quasi unsteady、複断面、複数の支川合流、支川からの土砂供給コントロールまでは、既存コードをトレースすることで実装できました。まだエネルギー勾配の見直しや上記の問題が残っています。一様粒径も簡略化したままなので、きちんと組み直す必要があるでしょう。

この休みの間に手を動かしたおかげで、新たにわかったこと、理解すべき点が明瞭になりました。また、まとまった時間があれば手を付けましょう(忘れそうですが)。

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20200514追記
HEC-RAS のマニュアルに説明がありました。
水面下の河床を一様に変化させる手法は、Veneer Method と呼ぶようです。やはり、それでは不自然になる場合があり、より深い場所に厚くたまるような実装が加えられているそうです。

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