2018年6月7日木曜日

圧密によるヒ素汚染

Overpumping leads to California groundwater arsenic threat

読めば「なるほど」と感じました。が、今まで見過ごしていた視点でした。
「濃度」というと移流分散や反応といった計算の視点から考えがちです。が、圧密も「あり」でしょうね。一つの現象に集中すると他が見えなくなるという点に、久しぶりに気付かされました。

機械学習ですのでメカニズムの解明は推定止まりです。が、以下のような内容が報告されていました。
  • 過剰揚水により、地下水低下。有効応力増加。帯水層が圧縮。地盤沈下が生じる。
  • 下部帯水層中の薄い粘土層の圧密により、間隙水が帯水層内に放出。
  • 間隙水はヒ素に高濃度であったため、地下水のヒ素濃度が上昇。
驚いたのは、過去の沈下の計測に SAR を利用している点、統計的手法として Random Forest を用いている点。
  • As a measure of overpumping, we use subsidence, derived from Interferometric Synthetic Aperture Radar (InSAR) data, to predict arsenic levels quantitatively.
  • We integrated estimates of subsidence with additional variables known from previous studies to affect arsenic levels into a random forest model that accounts for nonlinear relationships, as well as interdependencies of different variables.

あくまでデータの相関性を論じただけですので、真相は不明。特に、近年の沈下と過去の沈下で同じ沈下速度でも濃度の傾向が異なる点は、flush だけで説明できないように考えます。メカニズムを知りたいところですね。

ま、答えが出ない正攻法より、推定でも答えが出せる統計的手法、機械学習はお手軽です。DInSAR も Random Forestも使えるようにはなっていますので、答えを出せるかどうかは私の意識次第なのでしょう。

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