2018年6月25日月曜日

国産コードの未来

東京大学出版会「地圏水環境の数理」を読みました。

GETFLOWS は高価なのでリースを受けたことがありません。が、中身を理解したいとは感じていました。どのように地表水と地下水を安定して解いているのか?時間ステップはどうしているのか?分割法は?など。

で、復讐も兼ねて図書を読むことに。
幸い、先月に河床変動計算を経験したためか、内容は概ね問題なく理解できました。毛管圧力PCの取り扱いで戸惑いましたが、過去に出された文献に補足的なことが書かれており、理解の一助となりました。

登坂ほか(1996)地表流と地下水流を結合した3次元陸水シミュレーション手法の開発
地下水学会誌 38 巻4 号 p. 253-267

残念ながら、タイムステップを飛ばせる理由はイマイチ詳しく書かれていませんでした。が、結果的には降雨の少ない時期には飛ばせるようなので、解法の選択によるのかなと思います。また、12年前の古い図書なので、並列化については何も書かれていませんでした。

地表流を調べていると、以下の文献にも遭遇しました。また、読んで手を動かさないといけません。
GSFLOW-GRASS v1.0.0: GIS-enabled hydrologic modeling of coupled groundwater–surface-water systems

国産で柔軟性・適用性が高いものの、研究成果を有償でリースしているGETFLOWS。地表流ー地下水の連携のみですが研究成果を無償で公開している GSFLOW 関連。対照的ですが、日本と米国の研究事情を反映しているようですね。また、そこまで深くは考えられていないのかもしれませんが、シェアや戦略といった要素も絡んでいるのかもしれません。国産コードが世界を圧巻する未来を見たいものですが、なんだか残念です。

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