2018年2月12日月曜日

粒子法の種類(標準型)

先日の「安定化ISPH法」がよくわからなかったので、もう一度粒子法の図書を読み返すことにしました。

MPS の図書だったのですが、∆演算子の箇所で式が省略されていました。詳細は既刊にてとのことでしたので、ネットで検索。
すると、粒子法に関する新しい図書が発売されていました。

後藤仁志「粒子法 連続体・混相流・粒状体のための計算科学」

早速、書店に出向き購入。
まだ2章までと、その他の気になる箇所しか読めていませんが、個人的には丁度良いレベルの図書でした。1章で粒子法の歴史を含んだ概説、2章で SPH と MPS の両方の導出について記載がありました。数式も丁寧でわかりやすいと思います。

SPH と MPS は演算子の表現の違いと、陽的に解くか陰的に解くかの違いかと思っていました。が、その辺は昔の話で、今は結構混ざっているようです。

圧縮性粘性流体を陽的に解いていた SPH を出発点とし、非圧縮性流体に対応させようとした WCSPH(人工粘性導入)、MPS のように半陰解法で解く IPSH(人工粘性なし)、人工粘性の影響を避けやすい Riemann solver を使う GSPH。
非圧縮性流体を半陰解法で解く MPS を出発点とし、陽的に解く陽解法型 MPS(陽解法では、その先に並列化が見据えられています)。

このあたりは全て標準型粒子法で括られていました。この先に、大規模並列化を含む高精度粒子法なるものがあるようです。これは3章ですのでまだ読めていませんが、数多くありそうでした。安定化ISPHはこちらに該当するのでしょうか。

また、粒子法は格子法と異なり空間解像度を均一に扱うため、大規模なモデルに向かない(配置する粒子が多くなる)のですが、それを克服しようとする試みもあるようです。解像度可変型粒子法と呼ぶそうですね。知りませんでした。残念ながら高精度への発展には向かないようですが、面白いと思います。

ここまで読んで DualSPHysics のマニュアルを見返してみました。
WCSPH、GSPHで大規模並列化に対応していました。単なる SPH といった認識でしかなかったですね。無知は怖いですね。

さ、あらためて己のレベルが分かったところで、続きを読みましょう。

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